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結婚・子育て
2021.05.26

教育費の効果的な貯め方7つ 計画的な準備で大学までの学費に備える

目次

「教育費って今後いくらかかるんだろう?足りるんだろうか……?」
子育てをする多くの方にとっての悩みの種ではないでしょうか。学費に塾などの習い事、それらの費用感について解説した上で、計画的に貯める7つの方法を紹介します。

1教育費はいくら必要か

教育費は全部でいくら必要なのか確認していきましょう。

公立と私立で違う学習費

文部科学省が公表している学習費に関する資料の中で、2021年3月末時点で取得できる最新の情報によると、幼稚園から高校までの各学年の学習費の平均は以下のとおりです(「子供の学習費調査(2018年)」より)。

  • (出典:文部科学省「子供の学習費調査(2018年)」より。以下、文部科学省)

進学先が公立か私立かによって費用が大きく変わります。すべて公立だと年平均35万円ほどでトータル540万円ほどですが、すべて私立だと年平均120万円、トータル約1,830万円となっています。

ただ、これは2018年の統計です。2019年からは「幼保無償化」として3歳~5歳の子の幼稚園や保育園の利用料が無料になる制度が始まり、2020年からは「私立高校授業料実質無償化」として返還不要の就学支援金制度が拡充されています。上記グラフよりも負担が軽減している可能性が高くなるでしょう。

ただし、親の収入によっては無償化の対象にならなかったり、「利用料」や「授業料」の負担はなくなってもそれ以外の費用は引き続きかかったりするので要注意です。

「教育費=学校に支払う授業料」と思いがちですが、受験費用や通学に使う電車や自転車代、部活をしているお子さんなら道具代や遠征費用などにもお金がかかる可能性があります。

上記グラフの「学習費」には、学校の授業料のほか給食費、修学旅行や遠足などの行事代、通学費用、図書や学用品代、学校外活動費なども含まれています。

学習塾や習い事の費用

上述の「学習費」の中で、学習塾や習い事にかかる費用はいくらなのかを見てみましょう。塾、家庭教師、通信教育などの「補助学習費」とスポーツ、レクリエーション、地域活動、芸術文化活動、体験活動などの「その他の学校外活動費」の平均は以下のとおりです。

  • (出典:文部科学省)

特に私立小学校が突出していて、学校以外の教育費として年平均65万円ほどの支出になっています。前述の調査によると、私立、公立いずれも小学校高学年ごろから、塾などの「補助学習費」が、習い事などの「その他の学校外活動費」の金額を上回り始めます。

大学進学にかかる費用

高校から進学するとなると、さらに費用がかさみます。進学先ごとの平均費用(1年目にかかる学費)は以下のとおりです。

  • (出典:文部科学省)

1年目は特に、どの進学先でも「入学金」があるため負担が大きくなりやすいです。おおむね年間100万円~150万円程度ですが、私立の医学部などに進学する場合は1年目だけで500万円近くになっています。

進学と同時に子どもが1人暮らしを始める場合は、さらに家の契約費用や引越代、家具家電代、その後の毎月の仕送りなどにお金がかかります。また、もし子どもが大学院への進学や海外留学を希望する場合はさらに数百万円単位の出費になる可能性があります。

2教育費を無理なく捻出するための3つのポイント

教育費がもし足りなければ、教育ローンや奨学金に頼るという方法もあります。ただ、できれば避けたいところですよね。以下の3つのポイントを意識して、教育資金の計画を練ってみましょう。

1.目標金額を設定し、子どもが生まれてからすぐに貯蓄スタート

漠然と「余った生活費を貯金に回そう」と思っても、達成は難しいものです。期限と金額を決めて、毎月いくら貯めていけばいいのか逆算しましょう。

目標預貯金額は人それぞれですが、迷ったら「大学4年間の学費分」を目指してみてはいかがでしょうか。将来、物価が上がって学費が高くなる可能性もありますが、ひとまず「500万円」を目安にしましょう。

2.「貯め時」を逃さない!

子どもが生まれてから小学生くらいまでは、比較的出費が少なくて済む「お金の貯め時」と言われています。ここを逃すと貯蓄の難易度が上がってしまうため、早めにしっかりと支出の見直しや貯蓄ができる仕組み作りを進めて、強い家計を作っておきたいところです。

3.高校までは月々の収入で出せる進路へ

学費、塾代、習い事代は子どものことを思うほどつい支出が多くなりがちですが、毎月無理なく支払える金額に抑えるのが基本です。教育費がかさみ過ぎて何年もギリギリの生活を続けていては、緊急時のお金や住宅資金、老後資金などが用意できず、いつか困る事態に陥ってしまうかもしれません。

子どもがある程度大きくなってからは、お金をかける先について「本当に必要なのか」「それが最善策なのか」など話し合うこともできます。また、いざとなれば「奨学金を借りる」「アルバイトなどをして自分で費用を捻出する」など、子ども自身に協力してもらうのも良いでしょう。

3教育費の効果的な貯め方、7つのポイント

貯蓄が苦手な人でも、効率よくしっかりと教育資金を用意していくためにできる工夫があります。ここでは貯め方を7つご紹介しますが、必ずしもひとつに絞る必要はありません。

家計の状況に応じて、複数の貯め方を組み合わせて実行していくこともできます。「我が家の場合はどれをどのくらい利用するのがいいかな?」と考えながら読み進めてください。

1.児童手当を使わずに貯める

子どもがいる家庭に支給される「児童手当」に手をつけず全額貯蓄に回すのは「定番の貯め方」です。節約してなんとかお金をひねり出すより、自動的に入ってくるお金に手をつけず預貯金に回すのが確実な方法です。

児童手当の受け取り用に新たに口座を用意して「子どもの教育貯金用」と決めておくと、普段の生活費と混ざらず管理しやすいうえ、心理的にも手をつけにくくなるのでおすすめです。

児童手当は、3歳未満なら月1万5,000円、3歳~中学校卒業までは月1万円の支給が基本です。0歳から15歳まで使わずに全額貯めたとすると、約200万円になります。

2.財形貯蓄

勤務先が「財形貯蓄制度」を導入している場合は、それを利用するのもひとつの方法です。給与から天引きされることで、自動的に貯まる仕組みが作れます。財形貯蓄分がすでに引かれた金額内で毎月生活する癖がつき、気軽に引き出せないため、貯金が苦手な人でも貯めやすいのが特徴です。

3.自動積立定期預金

勤務先に財形貯蓄制度がない方は、銀行などで「自動積立定期預金」や「自動定額振込サービス」を申し込めば自分で同じような仕組みが作れます。給料日直後に、毎月給料が入ってくる口座から貯金用の口座に自動的にお金が移動するよう設定しましょう。

4.学資保険

「学費」にあてる「資金」を用意するための保険が「学資保険」です。支払った保険料を積み立てていき、満期(多くの場合、子どもが18歳ごろ)を迎えるとまとまったお金を受け取れます。もし途中で親が亡くなったら、将来受け取れる金額は変わらないまま、その後の保険料の支払いは不要になります。

5.低解約返戻金型終身保険

終身保険は、亡くなったときに保険金が受け取れる保険です。学資保険と同じく「貯蓄型保険」の一種で、支払った保険料が積み立てられていきます。

学資保険のような満期はなく、保険料の払い込みが終わったあと都合のよいタイミングで解約することで、今まで支払った保険料と同等かそれ以上の「解約返戻金」が受け取れます。

「低解約返戻金型終身保険」は、保険料の払い込みが終わるまでの解約返戻金の金額が低く抑えられているタイプで、保険料の支払いが終わっていない段階で解約すると損が大きくなりますが、その分、通常に比べて毎月の保険料を抑えられるメリットがあります。

6.個人年金保険

個人年金保険は、名前に「年金」と入っているとおり、将来の老後資金の足しにするために加入する方が多い保険ですが、学資保険代わりに利用する方もいます。

契約時に決めた年齢に達したら、まとまった金額を一括で受け取るか、毎年一定額ずつ受け取り続けるか選べます。学資保険や終身保険に比べて死亡時の保障が手薄な場合もありますので、よく確認しましょう。

7.投資信託

投資信託は、多数の投資家から集めたお金を投資のプロが運用するという金融商品で、投資初心者にも始めやすい手段です。仮に毎月1万円を18年間貯金したら元本は216万円なりますが、投資信託で年3%の運用ができていれば約286万円になります。

変動商品のため損失するリスクはありますが、貯金や保険よりも少しリスクを取って資金準備したいと考える方には向いています。国が用意している投資優遇税制度「ジュニアNISA」などの利用も検討してみましょう。

4子どもに負担をかけないためには早くからの準備が大切

教育費は、単に金額が大きいだけでなく子供の将来にかかわるため節約が難しく、家計を圧迫しやすいのがポイントです。あまり無理して教育費にあててしまうと、自分たちの老後資金が足りない事態にもなりかねません。

ある程度の金額を予測しておき、無理のない範囲で捻出して、最もお金のかかる大学進学に向けて計画的に貯蓄していきたいところです。いつまでにいくら用意するかを決め、そこから逆算して毎月いくらずつ貯めていけばいいのか、どうやって貯めていくのが合っているのかじっくり考えてみましょう。

もし金額や貯め方で悩んでしまったら、「ファイナンシャルプランナー」への相談も考えてみましょう。ファイナンシャルプランナーは、家計に関わる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度などに関する知識を備えた「身近なお金の専門家」です。

最近では、ドコモの「暮らしとお金の相談サービス」のように無料で気軽にオンライン相談できるサービスも登場しています。「暮らしとお金の相談サービス」では、教育費、老後資金、資産運用など幅広く相談できるのに加え、一人ひとりに合わせたライフプラン表の作成も可能です。

教育資金の準備は、長期間にわたって計画的に行っていく必要があります。人によっては、マイホームの購入や老後資金の準備との兼ね合いも考えながら、限りあるお金を配分していくことになります。専門家の手を借りて数十年先までの資金計画をいっしょに練ってもらうのもひとつの方法です。

難しく感じるかもしれませんが、家族で協力し合いながら、将来に向けて少しずつ進めていきましょう。

文・馬場愛梨(ばばえりFP事務所 代表)

関西学院大学商学部卒業後、銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。AFP資格保有。

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