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家計・暮らし
2022.03.28

年金はもらえないの?将来もらえる年金額や年金を増やす方法を解説

目次

数年前に大きな話題を呼んだ「老後2,000万円問題」を発端に年金だけでは老後資金が足りないという認識が世の中に広まりました。

確かに年金だけでは足りませんが、全くもらえないわけではありません。実際にいくら必要かはひとそれぞれ。必要金額を把握するためにも自分がどのくらい年金を受給できるかをまずは把握しましょう。

本記事では年金の仕組みを解説した上で、将来受け取れる年金額の計算方法や年金受給額を増やす方法を紹介します。年金に関する適切な情報を元に老後に備えましょう。

1年金の仕組みとは

  • (画像= KTakey / stock.adobe.com)

年金制度の仕組みを押さえましょう。

年金の種類

日本の公的年金は以下の3つの種類があります。

【加入する公的年金の種類】
・ 国民年金:強制年金の1つ。全国民が加入(20歳以上60歳未満)
・ 厚生年金:強制年金の1つ。サラリーマンや公務員が加入
・ 共済年金:公務員の旧強制年金。2015年、厚生年金へ統一

出典:日本年金機構

「国民年金」は最も基本的な年金で、20歳に到達すると原則全員が加入することになっています。保険料は原則一律、収入で変動することはありません。保険料は毎年変わり、例えば2021年4月~2022年3月までは月1万6,610円です。

「厚生年金」は主に会社員や公務員が、国民年金に上乗せして加入する年金です。保険料に国民年金分も含まれ、勤務先と折半して支払います。20歳未満でも一定以上の働き方で加入者となり、働き続ける限り原則70歳まで加入します。

厚生年金の保険料は加入者の収入に応じて月8,052~5万9,475円の間で変動します(2021年度折半分)。

「共済年金」は公務員が以前加入していた強制年金です。2015年10月1日に厚生年金へ統合されました。以降に年金の受給権が発生する場合は厚生年金から支払われます。

年金制度の仕組み

日本の公的年金制度は上述の2種類ですが、加入者の区分によって1~3号に分かれます。

加入年金 主な加入者 保険料の負担
第1号被保険者 国民年金 自営業者 本人が負担
第2号被保険者 国民年金
厚生年金
会社員
公務員
本人が負担
第3号被保険者 国民年金 専業主婦・主夫 なし
(配偶者の年金制度が負担)

1~3号まですべての方が「国民年金」に加入していることが分かります。うち2号被保険者はさらに「厚生年金」に加入しております。このことから日本の公的年金制度は「2階建て」といわれています。

保険料の負担が重いのは2号被保険者ですが、その分受け取れる年金も多くなります。一方3号被保険者は保険料の負担がなく、1号被保険者と同程度の年金を受け取れます。

国民年金は受け取るときに「老齢基礎年金」、厚生年金は「老齢厚生年金」を名称に変わります。老後以外にも、「障害年金」「遺族年金」を受け取れます。

【受け取れる年金の種類】
老後
(老齢年金)
障害を負ったとき
(障害年金)
死亡したとき
(遺族年金)
国民年金 老齢基礎年金 障害基礎年金 遺族基礎年金
厚生年金 老齢厚生年金 障害厚生年金 遺族厚生年金

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2年金がもらえなくなる?将来もらえる年金はいくら?

読者の方が気になる「本当に年金はもらえるのか」について解答します。

年金がもらえなくなることはない

将来受給できる金額は減りますが、「全くもらえない」「破綻する」という情報はミスリードです。

日本では財政検証と呼ばれる年金財政の見直しが5年の1度の頻度で行われております。人口動態や経済成長などさまざまな観点を考慮し、100年先に渡る保険収入や年金給付金をシミュレーションし、健全性がチェックされています。

- Point -

つまり、5年に1回シミュレーションが実施されており、100年先まで年金制度が破綻しないことが示されていると言えます。

公的年金の財政収支状況を見ても年金そのものが破綻する可能性が低いのは明らかです。

年金給付が約53兆円(2019年度)に対し、年金保険料収入が約39兆円の状況のため赤字ですが、給付を約26%減少させれば収支のバランスは取れます。さらに、年金の赤字部分は主に国の税金から補填されており、不足分を補うための「年金積立金」が約192兆円あります(2021年度第1四半期)。

これが「年金受給額が減る可能性はあるが、年金そのものはなくならない」の理由です。年金破綻に対する過度な心配は不要でしょう。

将来もらえる年金はどれくらい?

次に気になる「年金の受給額」について解説します。将来の年金額は以下の式で大まかに計算可能です。

【受け取れる年金の計算方法(概算)】
老齢基礎年金:78万900円×納付月数÷480カ月(2021年4月分)
老齢厚生年金:標準報酬月額の平均×0.005481×納付月数

※標準報酬月額:原則4~6月の報酬(給与や手当+賞与)の平均額

出典:全国健康保険協会

仮に22歳から60歳まで38年間(456カ月)会社員として働き、その標準報酬月額の平均が40万円だったとします。その場合、受け取れる年金額は以下のように計算します。

1. 老齢基礎年金:78万900円×456カ月÷480カ月=74万1,855円
2. 老齢厚生年金:40万円×0.005481×456カ月=99万9,734円
3. 計:174万1,589円

- Point -

現時点での将来の受給額は、自宅に届く「ねんきん定期便」からできます。年に1回は確認しましょう。

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3具体的に年金はいくら減るのか?

具体的に年金はいくら減る可能性があるのでしょうか。現役世代の手取り収入に対する年金額の割合を示す「所得代替率」を参考に見ていきましょう。

所得代替率は数値が大きいほど現役時と変わらない年金額もらえることを表します。例えば所得代替率が100%なら「老後も現役世代と変わらない収入(年金)を得られる」ということになります。

日本年金機構によれば令和2年度の夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額は月額約22万、2019年「財政検証」によれば所得代替率は61.7%と示されています。

2019年の財政検証で将来の年金の姿が6つのケースで示されており、最もポジティブな条件で計算された「ケース1」では約10.6万円年金が増える見込みですが、所得代替率は51.9%と10ポイント以上の下落が想定されています。

最もネガティブな条件で計算された「ケース6」までの結果は以下の通りです。つまりケース6においては年金が月7万円以上減少する可能性があり、所得代替率は現状の半分程度にまで落ち込むと予想されています。

【将来の夫婦の年金額&所得代替率の想定】
将来の夫婦の
年金額
将来の夫婦の
所得代替率
ケース1 32.7万円 51.9%
ケース2 30.7万円 51.6%
ケース3 27.6万円 50.8%
ケース4 21.9万円 46.5%
ケース5 20.8万円 44.5%
ケース6 14.7万円 36.0%

将来の年金を増やす方法はないのでしょうか。次章で詳しく解説します。

4もらえる年金を少しでも増やすには

  • (画像= THANANIT / stock.adobe.com)

年金を増やす方法はないのでしょうか?ここでは以下3つの方法を紹介します。

・ 年金の受給開始を遅らせる
・ 条件を満たす短時間労働者(パートなど)は厚生年金に加入
・ 私的年金に加入

それぞれ概要を押さえましょう。

年金の受給開始を遅らせる

1つ目は年金の受給開始を遅らせる方法です。これを「年金の繰り下げ受給」といいます。

年金は原則65歳から支給されますが、1ヵ月遅らせるごとに年金額が0.7%上昇します。最長70歳まで遅らせることができるため、最大42%年金額を上昇させることが可能です。

70歳まで受給開始を遅らせた場合、損益分岐点は81歳です。基準の年金額を100万円と仮定すると以下のようになります。

【年金の繰り下げ受給 累計年金額の比較】
65~69歳 70~74歳 75~79歳 80歳 81歳
65歳受給開始 500万円 1,000万円 1,500万円 1,600万円 1,700万円
70歳受給開始 0 710万円 1,420万円 1,562万円 1,704万円

81歳より長生きすると考えるなら繰り下げ受給を選ぶといいでしょう。ちなみに女性の平均寿命は約88歳、男性でも約82歳です。繰り下げ受給は検討に値するのではないでしょうか。

【男女の平均寿命(2020年)】
男性:81.64歳
女性:87.74歳

出典:厚生労働省 令和2年簡易生命表の概況

条件を満たす短時間労働者(パートなど)は厚生年金に加入

制度が改正され、2016年10月から厚生年金の加入対象者が拡大しました。パートのように短時間労働者でも、以下の条件をすべて満たすと原則厚生年金に加入できます。

【短時間労働者の厚生年金適用条件】
・ 勤め先の従業員が常時500人超(労使合意があれば500人以下も対象)
・ 週の労働時間が20時間以上
・ 雇用期間が1年以上見込まれること
・ 月の賃金が8.8万円以上

出典:日本年金機構

将来受け取れる年金は厚生年金のほうが大きくなります。勤め先や働き方にもよりますが、将来の年金を増やしたい場合は厚生年金への加入を検討しましょう。

私的年金に加入

公的年金に加え、任意に加入する「私的年金」に加入する方法です。例えば以下のようなものがあります。

・ iDeCo(イデコ):個人型確定拠出年金のこと。60歳までお金を積み立て、年金か一時金、併用で受け取ることができる。投資から得られる譲渡益が非課税となる。
・ 個人年金保険:満期まで保険料を積み立て、満期以降に年金を受け取る保険。

私的年金は公的年金の不足をカバーする役割を持ちます。公的年金だけでは老後の生活に不安がある場合は加入を検討しましょう。

一気にいろいろな制度を目にすると自分にどれがいいのか困ってしまいますよね。それぞれの制度にはメリット、デメリットがあるため、人によって活用すべき制度も変わります。

自分にとって良い選択肢を提示してもらいたい場合、「FP(ファイナンシャルプランナー)」に相談してみるのも手です。家計の状況やライフプランのヒアリングから始まり、必要な対応策を教えてもらえるでしょう。ドコモの「暮らしとお金の相談サービス」なら気軽にFPに無料相談ができます。

5年金に不安があるならFPに相談するのもおすすめ

大切なお金のことですから、自分で計算した内容が正しいのか確認したい、年金額はわかったけど不足分をどうやって準備するか知りたいという人も多いでしょう。

そんなときに頼りになるのがお金の専門家「FP(ファイナンシャルプランナー)」です。例えば以下のようなメリットが期待できます。

・ 将来もらえる年金額や不足額がはっきりする
・ 不足する年金を補う方法や貯蓄方法のアドバイスが得られる
・ 年金や老後資金の運用方法を相談できる

将来もらえる年金額や不足額がはっきりする

FPに相談すると、年金受給額の計算だけでなく、家計の問題点についてもアドバイスをもらえます。アドバイスを元に具体的な対策が打てるため、漠然とした不安が払拭されるでしょう。

ドコモの「暮らしとお金の相談サービス」では、FPが「ライフプラン表」を無料で作成します。将来までの家計収支を表やグラフにまとめたものをベースにライフプランの実現のために必要ないつまでに何をすれば良いかといったアドバイスを受けることができます。

FP相談は有料のケースもあるため、とりあえずお試しで「暮らしとお金の相談サービス」を活用して自身の家計を「見える化」してもらえるのは良い機会です。

不足する年金を補う方法や貯蓄方法のアドバイスが得られる

将来の不足が見込まれるときはなんらかの対策が望ましいですが、選択肢はとても多くあります。上述の私的年金以外に銀行預金や国債などが考えられるでしょう。どの方法で備えるべきか、適切な判断ができる方は少ないのではないでしょうか。

FPに相談すれば適切な貯蓄方法について中立な立場からアドバイスを受けられます。どうやってお金を貯めればいいか分からない方はぜひFPに相談しましょう。

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年金や老後資金の運用方法を相談できる

不足する年金に備え老後資金を貯める場合、比較的時間に余裕があると考えられるため資産運用も選択肢に入ってきます。むしろ低金利の日本では多少のリスクを取ったほうが効率的にお金を増やせるケースもあるでしょう。

リスクを取る場合、選択肢はさらに増えます。適切な方法が分からない場合、やはりFPに相談しましょう。

6年金制度は破綻しないが自助努力は必要

年金制度が角度からシミュレーションを元に約100年先まで破綻しないことが示されていることは本記事でお伝えしたとおりです。しかし年金の減額は考えられるため、老後の生活に備え「自助努力」は必要です。

ドコモの「暮らしとお金の相談サービス」ならFPに無料で相談でき、お金にまつわるさまざまなサポートを受けられます。実際に相談した9割以上から高評価を受けています。相談はオンラインでも可能なため、気軽に相談してみてはいかがでしょうか?

※本記事は2021年8月24日時点の内容であり、将来の商品改定によっては内容が変更になる可能性がございます。

文・若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業、保険募集代理業、金融系ライターとして活動しています。
関心のあるジャンルは資産運用や保険、またお得なポイントサービスなど。お金にまつわることなら幅広くカバーし、発信しています。
AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有。

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