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家計・暮らし
2020.11.18

AIの活用事例7選!ビジネスシーンだけでなく保険業界にも拡大中

目次

AI(人工知能)は近年急速に普及が進んでいる技術です。「新しく開発されたAIが将棋でプロ棋士に勝った」といったニュースを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。企業でも導入が進むAIについて、詳しく解説します。

1AI(人工知能)とは?

そもそもAIとはどのようなものを指すのか、確認しておきましょう。

AIの定義

AIは「Artificial Intelligence」の頭文字を取った略語で、「人工知能」と訳されます。近年、TVや新聞の報道や企業のサービスなどでAIを活用したサービスについて耳にする機会が増え、言葉自体は一般的に広まりつつあります。一方で具体的な定義については研究者により細かい部分で違いがあり、定まっていません。

国内の研究者による定義の例
研究者 定義
松尾豊 人工的につくられた人間のような知能、ないしはそれをつくる技術。人間のように知的であるとは、「気づくことのできる」コンピュータ、つまり、データの中から特徴量を生成し現象をモデル化することのできるコンピュータという意味である。
中島秀之
武田英明
人工的につくられた、知能を持つ実態。あるいはそれをつくろうとすることによって知能自体を研究する分野である。
西田豊明 「知能を持つメカ」ないしは「心を持つメカ」である。
山口高平 人の知的な振る舞いを模倣・支援・超越するための構成的システム。
長尾真 人間の頭脳活動を極限までシミュレートするシステムである。
池上高志 自然にわれわれがペットや人に接触するような、情動と冗談に満ちた相互作用を、物理法則に関係なく、あるいは逆らって、人工的につくり出せるシステム。
  • (※松尾豊「人工知能は人間を超えるか」(KADOKAWA 2015年3月11日出版)より出典)

機械学習、深層学習技術との違い

AIは自分で学習し、それをもとに推測したり判断したりすることができます。数値、画像、音声などさまざまなデータからその法則性を見つけ出す技術のことを「機械学習」と呼びますが、機械学習の中でも近年特に注目され、研究が盛んな分野は「深層学習(ディープラーニング)」です。

従来の機械学習は、AIにデータを与えて、その色や価格など「着目すべき点」を最初に人間が教えれば、あとは自動的に学んで判断できるようになるというものでした。しかし、深層学習はその「着目すべき点」そのものも自動的に判断します。深層学習は、機械学習をさらに発展させたものとも言えます。

2AIができることやメリットとは

AIは、「機械学習」や「深層学習」によって大量のデータをもとにさまざまなことを自動で行います。具体的にどんなことができて、どんなメリットがあるのかご紹介します。

AIは何ができる?

AIは、データの分析やその結果を踏まえた推測が得意です。分析可能なデータは文字情報だけにとどまらず、画像や動画の解析、音声認識などもできます。

総務省が有識者を対象に2016年3月に行ったアンケートでは、AI がさまざまな課題解決に役立つとの回答が得られました。

  • (※総務省「ICTの進化が雇用と働き方に及ぼす影響に関する調査研究」(2016)より筆者作成)

さらにAIの活用は、次のような課題の解決に役立つという意見が寄せられています。

  • ・介護、モニタリング、セキュリティ維持、教育分野の労働力不足や過酷労働問題
  • ・農業・漁業の自動化による人手不足問題
  • ・犯罪の発生予知
  • ・事故の未然防止
  • ・個々人の必要に応じたきめ細かいサービスの提供
  • ・裁判の判例調査
  • ・職人の知識やノウハウの体系化による維持と伝承

AIを活用することによるメリット

AIは、人間には処理できないほど膨大な量のデータを瞬時に解析して適切な答えを導き出せるようになったり、人間が担ってきた仕事を低コストで24時間対応できるようになったりするなど、活用方法次第でさまざまな業務の効率化に役立てられます。

そのため、近年はAIを導入する企業が増えてきています。2018年時点の日本企業のAI導入率は以下のとおりです。

  • (※ボストンコンサルティンググループ「企業の人工知能(AI)の導入状況に関する各国調査」(2018)より筆者作成)

また以下のグラフに示す通り、産業別に見ると、「テクノロジー・メディア・ 通信(60%)」 や「金融(42%)」はAIの導入が比較的進んでいる業界と言えます。

  • (※財務省(2018)「財務局調査による 「先端技術(IoT、AI等)の活用状況」について」より筆者作成)

ちなみに、日本のAI導入率は欧米や中国と比べて低めの水準です。同調査で最も導入率が高かった中国では、85%もの企業がAI活用に乗り出しているという結果でした。

  • (※ボストンコンサルティンググループ「企業の人工知能(AI)の導入状況に関する各国調査」(2018)より筆者作成)

3AIの活用事例7選

では、AIが実際の企業やサービスの中でどのように利用されているか、具体例を7つ見てみましょう。身近なものから、「こんなところにも!?」と意外なものまで、多くの分野でAIが活用されていることが分かります。

顧客の質問に自動応答する…チャットボット(会話AI)

最近、企業のサイトを訪れた際に画面の下端あたりに「○○に質問する」のようなチャット形式のQ&Aを見たことはありませんか?あれがチャットボットです。

よくある質問に自動で応対できるため、企業は問い合わせ対応に人員を割かなくてすみ、サイト訪問者も時間を気にせず疑問を解決できます。株式会社AI Shiftが提供している「AI Messenger」というチャットボットサービスは、横浜銀行やYahoo!ショッピングなど大手企業で利用されています。

広報の効果をAIが分析…PR効果測定ツール

AIを使えば、どの広告がどのくらいの人に届いたのか、評価を得たのはどのような媒体かなどが一目でわかるようになります。その情報は、企業が広報戦略を練るときに役立ちます。

たとえば、ビルコム株式会社が開発・提供している「PR Analyzer」というサービスでは、AIが自社商品の露出状況をテレビ・新聞・雑誌・Web・Twitter・Facebookを横断して情報を収集し、分析します。

人材採用もAIで!…書類選考ツール

採用というと採用者と求職者が直接会話する“面接”がポイントとなるイメージがありますが、ここでもAIは活用されつつあります。

マイナビと三菱総合研究所が共同開発した「PRaiO(プライオ)」は、履歴書やエントリーシートの内容、文章の特徴などをAIが分析して、会社とのマッチ度や志望度を可視化するサービスです。すでに実用化もしています。

また、面接のヒアリングを人間の代わりにAIが行うサービスを導入する会社も現れています。

物流や交通も効率的に…需要予測システム

データ分析や推測に強いAIの特性を活かして、将来見込まれる需要を予測するサービスも注目を集めています。たとえば、ソニーや大手タクシー会社が参画して発足した会社「みんなのタクシー」は、時間帯や天候などの情報から乗客を見込めそうな場所を推測するアプリを提供しています。

交通渋滞の予測システムなども研究が盛んで、将来的は自動運転なども広まる可能性もあり、今後も交通や物流はAIの影響を大きく受ける分野と言えるでしょう。

収穫量アップに貢献……農業AI

農業とAIは一見関係なさそうに見えますが、実は栽培・収穫・出荷などさまざまな段階でAIが活用されています。たとえば、株式会社スカイマティクスが提供する葉色解析サービス「いろは」では、ドローンで撮影した作物の画像をもとに、現在の生育状況を把握できます。害虫被害をいち早く発見したり、見込める収穫量を予測したりすることも可能です。

健康を支える医療分野のAI…診断補助ツール

医療の世界でもAIの導入が進んでいます。たとえば過去の診断データや検査結果を学習させ、病気のリスクを予測するツールや、レントゲンやMRI画像を分析できる画像診断システムなどがあげられます。医師の負担軽減や病気の予防・早期発見に役立っています。

個人の暮らしもAIで便利に…AIアシスタント

スマートフォンやスマートスピーカーなどに搭載されているAIアシスタント機能は、普段の暮らしの中で個人が最も身近で活用しやすいAIではないでしょうか。

「OK,Google」や「Hey,Siri」といった呼びかけに反応して、質問に答えたり、音楽を流したり、アラームを掛けたり、家電を操作したりすることができます。

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4保険業界でのAI活用事例

多くの分野・業界でAIが活用されていることを紹介しましたが、保険業界もAIとの親和性が高い業界の1つです。医療や自動運転などAIの動向が影響する事象を多く扱い、確率や統計など膨大な量のデータを処理する必要があることが、その理由だと考えられます。

たとえば保険業会では、これまで人が行っていた以下のような業務でAIの導入が進んでいます。

AIによる保険提案

NTTドコモの「AIほけん」のように、生年月日や性別といった基本情報のほか、その人の趣味や価値観なども分析して、AIが最適な保険の組み合わせを提案してくれるというサービスが登場しています。

コールセンター業務の自動化

保険業界のコールセンターでは、IBMの「ワトソン」という人工知能が早くから導入されてきました。AIが過去の電話状況を分析、電話数が多い時間帯や曜日を予測して適切な人数のオペレーターを配置するといったことに活用しています。

保険金支払いの審査

AIに過去の保険金支払い事例や診断書のデータなどを学習させることで、請求があったときに早く正確に審査し、保険金支払いまでの日数を短縮しています。

保険内容を画像認識

AIは、画像認識も得意です。近年は、保険証券をスマホで撮影するだけで、保険内容を分析し、契約内容の理解や見積書の作成に活用できるアプリも発表が相次いでいます。

人手不足解消や業務効率化といった企業の問題解決に役立つAIの導入は、いつでも迅速で正確な対応が受けられるなど顧客側にとってもメリットが大きいものです。そのため、顧客と接点を持って契約するところから、その後のアフターフォロー、各種変更や保険金請求に必要な手続きに至るまで、あらゆるシーンで導入されています。

5AIの利用は今後も広がる!メリットを活かして暮らしを豊かに

ここまでご紹介したとおり、AIはすでに研究所の中だけのものではありません。多くの企業でも導入や実用化が進み、個人が利用するサービスにも浸透してきています。

NTTドコモの「AIほけん」では、質問に答えながら自分の情報を入力していくだけで、複数の保険種類を横断して、保険を提案します。保険のことがよくわからない人や、保険の営業スタッフと対面するのが苦手という方でも、いつでもどこでも自分に最適な補償内容の保険に加入できます。

誰もがAIの恩恵を得られるようになってきた今、さらに豊かな生活を送るため、これらのサービスをうまく利用してみてください。

※本記事は2020年9月11日時点の内容であり、将来の商品改定によっては内容が変更になる可能性がございます。

文・馬場愛梨(ばばえりFP事務所代表・AFP)

自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。むずかしいと思われて避けられがちだが、大切なお金の話をゆるくほぐして伝える仕事をしている。AFP資格保有。

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