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車・自転車
2021.06.28

自動車保険、車の貸し借りでの事故は補償される?誰でも運転できるようにするには

目次

親や兄弟姉妹、友人の車を借りて運転する機会もありますよね。車を借りているときに、万が一事故を起こしてしまったらどうなるのでしょうか。この記事では、貸し借り中に事故が発生した場合、どのような保険で補償を受けられるのか、貸し借り中の事故に備えるための自動車保険について解説します。

1車の貸し借りで生じた事故は自動車保険で補償できる?

借りた車で万が一事故を起こしてしまうと、家族関係や友人関係が悪化し兼ねません。万が一の際にあわてることがないよう、借りた車で事故を起こした場合にどうなるかを知っておきましょう。

賠償責任は運転者と車の持ち主の両方に生じる

借りた車で事故を起こした場合、まず気になるのが、責任の所在です。

自動車損害賠償保障法の第3条では、「自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる」と定められています。

「自己のために自動車を運行の用に供する者」とは、自動車の所有者と運転者の両方を指します。そのため、車の貸し借りをしていた場合、所有者にも運転者にも賠償責任が生じることになります。

車の持ち主の「自賠責保険」、「任意自動車保険」を適用する

万が一、事故を起こしてしまった場合、まずは車の所有者が加入する自賠責保険での対応を考えましょう。

自賠責保険とは、原付を含むすべての自動車に加入が義務付けられている保険のことです。目的は、加害者の経済的な負担を補てんし、被害者を救済することです。ただし、自賠責保険の対象は人身事故による他人の死傷のため、物損事故は対象になりません。

次に考えたいのが、車の所有者が任意で加入する任意自動車保険です。任意自動車保険では対人事故以外に、物損事故も補償範囲に含まれていることがあるため、補償を受けられるかもしれません。

ただし注意したいのが、任意自動車保険の運転者の範囲です。任意自動車保険の場合、運転者が車の所有者とその家族など、指定されているケースがあります。このような場合、運転者に該当しなければ、補償を受けることはできません。

また、車の所有者の任意自動車保険で補償を受けると、保険料が上がる可能性があります。自動車保険では、事故の内容や回数に応じて等級が決まり、等級によって保険料が変わります。そのため、事故等で補償を受けると、無事故の場合と比べて等級が下がり、結果的に保険料が上がることがあります。

車を借りて事故を起こし、さらに保険料のことでも迷惑をかけてしまうのを避けるため、次のような方法も紹介します。

運転者が加入している「任意自動車保険」を適用する

運転者が自分の車を所有しており、任意自動車保険に加入している場合、保険の内容によっては他人の車を借りて運転して事故を起こした場合も補償対象になるケースがあります。例えば、「他車運転特約」がついている場合、補償を受けられる可能性が高いです。加入している場合は、補償内容をあらかじめ確認しておきましょう。

2自動車保険の補償対象 運転者の範囲について

任意自動車保険では運転者の範囲が定められていることがあるとお伝えしました。運転者の範囲や限定する理由について、もう少し具体的にみていきましょう。

運転者の範囲とは?

運転者とは、任意自動車保険の被保険者を指します。運転者が登録されている車で事故を起こした場合に補償を受けられます。

運転者の範囲は、任意自動車保険の契約内容によって変わります。例えば、「本人のみ」「本人と配偶者」「本人と家族」「本人と登録者〇名」などさまざまです。

運転者限定すると保険料が安くなる

運転者を限定するメリットは、保険料が安くなることです。保険会社としては、運転者が限定されているほうが事故の発生確率は下がるため、保険料を安く設定できるのです。

運転者を限定する場合は車の貸し借りに要注意

ただし、運転者を限定すると、車を貸した場合に起きた事故をカバーできません。車を貸す相手が任意自動車保険に加入しているかを事前に確認しておくと安心です。

また、自分が車を借りる場合は、「車の持ち主の自動車保険で何とかなるだろう」と安易に考えるのは危険です。自分が運転者に該当していなければ、車の持ち主の任意自動車保険の補償を受けることはできません。

車の持ち主の任意自動車保険の運転者が限定されている可能性を考慮して「自分で備える」ことが大切です。

3誰が運転しても補償対象となる自動車保険の加入方法とメリット、デメリット

車の貸し借りをする度に事故が起きた場合の補償について考えたり、確認したりするのは煩わしいですよね。

誰でも運転できるようにする方法はないのでしょうか?車の貸し借りをする際、車の所有者・運転者のそれぞれができる工夫を紹介します。

車の所有者が補償対象となる運転者の範囲を変更する

まず車の所有者ができる工夫として、運転者の範囲の変更が挙げられます。運転者の範囲を変更し、車を貸す相手が運転者に含まれるようにすれば、車を貸している間の事故もカバーされます。

メリットは車を貸す相手が自分で車を所有していない場合も、運転中の事故に関して補償を受けられることです。車を貸す相手が決まっており、加入している任意自動車保険で運転者の範囲を変更できる場合に検討しましょう。

一方デメリットは、運転者の範囲を広げることで、保険料が上がってしまう可能性があることです。運転者が増えるほど事故の確率は上がるため、基本的には保険料が上がることになります。加入している任意自動車保険で、運転者の範囲を広げられるのか、保険料は変わるのか、確認しましょう。

車の運転者が自分の自動車保険に特約をつける

車を運転する人が、自分の任意自動車保険に「他車運転特約」などの特約をつけるという方法もあります。そうすれば、借りた車を運転している最中の事故もカバーできるので安心です。

メリットは、自分の任意自動車保険の補償を受ければ、家族や友人に迷惑を掛けずに済むことです。万が一事故を起こしても、家族や友人の自動車保険料が上がることもないので、事故により気まずくなることも防げます。

一方デメリットは、自分自身が車を所有し任意自動車保険に加入していないと、特約をつけられないことです。

「1日自動車保険」を利用する

最後に紹介する方法は、「1日自動車保険」を利用するという選択肢です。他の選択肢と比べると、制約が少なく、状況に応じて臨機応変に事故のリスクをカバーできます。

1日自動車保険とは、24時間単位で契約できる短期の自動車保険を指します。家族や友人に車を貸す場合、万一の事故に備えて1日自動車保険への加入をお願いするのもいいでしょう。1日自動車保険は、大切な人との良好な関係を守ることにもつながります。

逆に家族や友人の車を借りるなら、1日自動車保険に加入しておくと安心です。自分自身が車を所有しておらず任意自動車保険に加入していなくても、1日自動車保険なら加入できます。家族や友人に迷惑をかける心配がなく、こちらから提案することで、相手にも安心してもらえるでしょう。

1日自動車保険のメリットは、臨機応変に活用できること、車の貸し借り中の事故に備えられることなどが挙げられます。運転者の範囲を変更したり、特約をつけたりと、面倒な手続きが一切ありません。1日だけ車を借りる場合や毎日ではなくたまに貸し借りをする場合には、1日自動車保険が便利です。

デメリットは、毎日のように車の貸し借りをしている場合、かえって保険料が高くなる可能性があることです。継続的に車の貸し借りをしている場合は、他の方法を検討した方がいいでしょう。

4ドコモの「1日自動車保険」

臨機応変に貸し借り中の事故にも備えられる1日自動車保険の一例として、ドコモ ワンタイム保険の「1日自動車保険」の補償内容や保険料を紹介します。1日自動車保険を検討している方は、参考にしてください。

「1日自動車保険」のプラン

ドコモの「1日自動車保険」には3つのプランがあり、補償内容や保険料はプランによって変わります。各プランの保険料は次の通りです。

シンプル 800円
レギュラー 1,800円
プレミアム 2,600円

被保険者を追加することも可能な上、追加される人数にかかわらず保険料は定額です。

プラン別、補償を受けられるシーン

ドコモの「1日自動車保険」は、たとえば次のようなシーンで補償を受けられます。

・借りた車を運転中に、ブレーキとアクセルを踏み間違え、道路わきの住宅に突っ込んで外構に傷をつけてしまった。
・借りた車を運転中に、運転操作を誤り、助手席の友人にケガを負わせてしまった。

自賠責保険ではカバーされない物損事故にも対応しているため安心です。具体的な補償内容は、次の通りです。

補償内容とプラン別補償対応一覧
保険の種類と補償内容 シンプル レギュラー プレミアム
◯対人賠償責任保険
運転中の事故で他人を死亡させたりケガをさせたりして、法律上の損害賠償責任が生じた場合の補償
◯対物賠償責任保険
運転中の事故で車や塀等の他人の財物を壊し、法律上の損害賠償責任が生じた場合の補償
◯対物超過修理費特約
対物賠償責任保険が適用される事故で、相手方の車に時価額を超える修理費が発生した場合の補償
◯搭乗者傷害特約(一時金払)
運転中の事故で乗車中の人が死亡したりケガをしたり、後遺障害が生じたりした場合の補償
◯自損事故傷害特約
電柱への衝突、崖からの転落、追突など、運転中の自損事故の補償
◯車両搬送・緊急時応急対応費用補償特約
事故や故障で走行不能になった場合、現場で応急対応及びレッカー搬送をしてくれる補償
◯借用自動車の復旧費用補償特約
運転中の事故で車の修理をしたり、代替車を購入したりした場合の補償
× ◯※
◯弁護士費用等補償特約(自動車)
運転中の事故で相手方に損害賠償請求をするための弁護士費用等の補償
× ×
  • ※対象事故限定条件付

5万が一の場合も「事故対応サポート」で専門家のアドバイスがもらえる

自動車事故を起こした時は、パニックになり、どうしていいか分わからなくなってしまうこともあります。そんな時に、すぐに電話で事故対応の相談ができれば心強いですよね。

ドコモの「1日自動車保険」なら「事故対応サポート」も充実しています。専門家からアドバイスを受けることができ、修理工場や病院等への各種手配、被害者への連絡など、事故発生から24時間の対応をしっかりサポートしてくれます。

自動車事故は、いつ何時起こるかわかりません。事故が起きた時、「まさか自分が」と多くの人は思うものです。ましてやそれが借りた車だと、イレギュラーな事態に対応できず、家族関係や友人関係がギスギスしてしまうことになりかねません。

万が一の事故にも対応できるよう、いざという時の備えをしましょう。

文・水瀬理子

税理士法人での勤務経験を持つファイナンシャルプランナー。「お金の相談役」として、資産形成・相続・ライフプランなど数多くの提案をしてきた。現在は執筆業を中心に幅広く活動している。

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