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車・自転車
2020.02.20

自動車保険の弁護士費用特約とはどんなサービス?必要性や使うシーン、メリット・注意点まで解説!

目次

自動車保険を検討するときに「弁護士費用特約」というものがあることを知り、どのような特約なのか気になる方は多いのではないでしょうか。自分にとって必要なものかの判断のためにも、弁護士費用特約の必要性や活用シーン、メリットなどを知っておきたいですよね。

そこで今回は、自動車保険の「弁護士費用特約」について解説します。

1「弁護士費用特約」とはどんな保険?

自動車事故に巻き込まれ、ケガを負ったり後遺症が残ったりした場合、相手方に損害賠償を請求することがあります。そのような時に、弁護士に相談したり委任したりすることもあるでしょう。

弁護士費用特約とは、こうした弁護士への「相談費用」や「委任費用」を補償する、自動車保険の特約の一つです。

一般的に補償される費用には、以下のようなものがあります。

・弁護士などへの報酬
・訴訟費用
・仲裁、和解または調停に必要であった費用
・法律相談のための費用

ただし、どのような場合も補償を受けられるわけではなく、あらかじめ保険会社の承認を得た上での支出である必要があります。

2「弁護士費用特約」が必要な理由

「弁護士費用」は高額になりやすい

交通事故に限った話ではありませんが、弁護士に相談すると費用が発生します。

どのぐらいの費用が発生するかは、弁護士や相手方への請求額によって変わるので一概にはいえません。しかし交渉で話がまとまらず訴訟に発展すると、費用はかなり高額になることもあります。

参考までに、訴訟になって弁護士に依頼した場合の相場を見てみましょう。初期費用である「着手金」は、以下の金額が目安になります。

▼着手金(例)
請求額 弁護士に支払う費用
125万円以下 10万円
125万円超300万円以下 請求額の8%
300万円超3,000万円以下 請求額の5%+α(数十万円)

最低でも10万円、場合によっては数十万円の初期費用がかかることがわかります。

また賠償金を受け取ることができた場合は、「成功報酬」として回収額に応じた報酬金を支払います。

▼成功報酬(例)
回収額 弁護士に支払う費用
300万円以下 回収額の16%
300万円超3,000万円以下 回収額の10%+α(数十万円)
3,000万円超3億円以下 回収額の6%+α(数百万円)

その他にも手数料や日当、交通費・宿泊費などの実費がかかることもあります。

このように弁護士費用は数十万、場合によっては100万円を超えることもあるのです。

だからこそ必要な「弁護士費用特約」

交通事故で被害にあった場合は治療費や修理費がかかりますし、弁護士費用をすぐに準備することが難しい人もいるでしょう。

そのようなときに弁護士費用特約をつけておけば、負担した弁護士費用が補償されるので、費用を気にせず安心して弁護士に依頼できます。

3車の事故で弁護士が活躍するシーン

弁護士費用と弁護士費用特約の必要性について説明しましたが、「車の事故が起きたとき、本当に弁護士は必要なの?」と思う方もいるかもしれません。

しかし車の事故において、弁護士が活躍する場面は想像以上に多くあります。

【FPからのワンポイントアドバイス】

「車の事故」は頻繁に起こるものではないので、弁護士が具体的にどんなことをするのか想像できない方もいるのではないでしょうか。

そこでここでは、弁護士が活躍するシーンを紹介します。これを知ると、車の事故が起こった時に「弁護士に依頼すること」の必要性がわかるでしょう。

相手と示談交渉をするとき

自動車事故を起こした時、自動車保険に加入していれば示談交渉は保険会社が代行してくれます。しかし「信号待ちの時に後ろから追突された」など、明らかに自分に過失がない“もらい事故”の場合、保険会社は示談交渉ができません。

そのため、自分で加害者もしくは加害者側の保険会社と交渉することになります。

しかし多くの人はこのような交渉に慣れていないため、どうすればよいかわからず戸惑うでしょう。また、相手方が提示する賠償額が適正かどうかを確かめることも難しいのではないでしょうか。

法律や保険の知識が必要になる交渉は、弁護士に依頼することで適切に対応してもらえますし、自分の手間やストレスも大幅に減ります。

書類作成が大変なとき

自動車事故で示談交渉する際には、さまざまな書類が必要です。

・交通事故証明書
・修理の見積書
・事故発生状況報告書
・診療報酬明細書 など

また、それに加えて法的拘束力のある示談書を正しく作成しなければなりません。

これだけの書類を自分で準備するとなると、かなり手間がかかります。事故でケガを負って治療中であれば、なおさら時間が限られます。

弁護士に依頼すれば、これらの書類を作成する手間が省けます。また、間違いのない書類を作成してもらえるでしょう。

【FPからのワンポイントアドバイス】

面倒な書類作成を専門家に依頼することで、早く通常の生活に戻れることも大きなメリットです。

過失割合について相手と揉めたとき

過失割合について相手と話し合うのは、加入している保険会社の担当者です。そのため、安心して話し合いを任せられるイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。

しかし、時には納得できない過失割合を提示されることもあります。

そのような場合に弁護士に過失割合の交渉を任せることで、納得できる形で解決する可能性が高まります。弁護士は現地調査や損傷箇所の調査を経て過去の判例も踏まえた示談交渉ができるため、相手方も納得しやすいのです。

相手が賠償請求に応じてくれないとき

自動車事故の際には、相手方に対して経済的損害と精神的損害の賠償請求が可能です。しかし、相手方が損害賠償の請求額に異議を唱える場合があります。

弁護士へ依頼すれば、法律や過去の判例を踏まえた妥当な損害賠償請求で話が進めやすくなります。

相手が交渉に応じてくれないとき

相手が示談交渉に応じてくれない場合、弁護士に任せれば、法的手段をもってトラブル解決に努めてくれます。弁護士が代理人として示談交渉を持ちかけると、相手方の対応が大きく変わることは珍しくありません。

また民事調停になった場合には、弁護士が代理人としてサポートしてくれるため心強いでしょう。結果的に、より有利な条件で解決する可能性もあります。

訴訟に発展してしまったとき

自動車事故の示談交渉では、一般的に過去の事例などを参考にして、過失割合にもとづいて賠償額を決めます。

しかし過失割合や賠償額、休業損害、ケガを負ったことによる収入減少などについて、加害者と被害者の間で折り合いがつかないことも少なくありません。

話し合いを重ねても進展がない場合は、訴訟によって解決することも考えなければなりません。裁判となると、弁護士に依頼することも検討すべきです。

4「弁護士費用特約」のメリット

続いて、弁護士費用特約をつけるメリットを細かく紹介します。

費用の心配なく弁護士に相談できる

弁護士費用特約をつけることで、「獲得できる金額より弁護士に支払う費用の方が高くなる」という心配が軽減されます。そのため、気軽に弁護士へ依頼することが可能です。

費用が気になり、弁護士への依頼を諦めてしまうと、結果的に泣き寝入りすることになる可能性が高まります。必要なときに弁護士に気軽に依頼できることは、弁護士費用特約の大きなメリットです。

早期に交渉、解決できる

費用を気にして弁護士への依頼をためらい自分で解決しようとすると、時間がかかってしまう可能性があります。

弁護士費用特約をつけておけば、費用を気にせず事故の初期段階で弁護士に依頼できます。示談交渉や損害賠償請求がスムーズに進み、トラブルを早く解決できるでしょう。

精神的ストレスから解放される

弁護士費用を払えず自分で示談交渉を行う場合、慣れない交渉や書類作成はストレスになります。

また治療費がかかったり働けなくなったりすることで、金銭的に苦しくなるかもしれません。その中でさらに高額な弁護士費用を支払うのは気が重いのではないでしょうか。

事故の処理は弁護士に任せて1日でも早く普通の生活に戻るためにも、かつ金銭的な心配を軽減させるためにも、弁護士費用は保険で備えることをおすすめします。

5「弁護士費用特約」の注意点

弁護士費用特約をつける際には、次の注意点を押さえておきましょう。

事故後の契約は対象外

自動車事故で「被害を受けた後」に弁護士費用特約をつけても、その事故について弁護士費用は補償されません。

例えば自動車事故に遭い、「自動車保険の必要性を認識したので、弁護士費用特約付きの自動車保険に新たに加入した」とします。その後、「自動車事故の示談交渉は自分でするつもりだったが、話がこじれたので弁護士に頼むことにした」というケースについて考えてみましょう。

弁護士費用が発生するのは新たな自動車保険の契約後ですが、事故は契約前に発生したものなので、弁護士費用は補償されません。

このように、事故後の契約は対象外となる点に注意しましょう。

家族で重複する可能性がある

弁護士費用特約で補償の対象となる人は、保険会社や保険商品によって異なります。

「本人(記名被保険者)のみ」が対象になる保険もありますし、「本人と配偶者」「別居の未婚の子ども」「契約自動車に搭乗中の人」まで対象になる保険もあります。

家族がすでに弁護士費用特約をつけており、その対象に自分が入っているなら、新たに同じ特約をつけると補償が重複することになります。

多くの保険会社では、弁護士費用特約の補償額の上限は1事故1被害者につき300万円に設定されています。もし弁護士費用が300万円を超えた時は、2つ目以降の弁護士費用特約でカバーできることがあります。※保険会社による

しかし重度後遺症や死亡事故など賠償額が大きい一部の事故を除き、1事故の弁護士費用が300万円を超えることはそれほど多くありません。

また、そうした高額賠償事故においても「成功報酬」の支払いは賠償金を獲得した後なので、「弁護士費用が300万円以上になるかも……」と過度に心配する必要はないでしょう。

弁護士費用特約が重複してもまったく無駄になるということではありません。しかし、必要性は低いため、重複を省くことで保険料は抑えることができます。加入を考える前には、家族の保険の契約内容をよく確認しておきましょう。

【FPからのワンポイントアドバイス】

また弁護士費用特約は、火災保険やクレジットカードの特約としてつけられる場合もあります。クレジットカードの特約についてもチェックを忘れないようにしましょう。

補償対象外のケースに注意

弁護士費用特約は、すべての自動車事故の際に利用できるわけではありません。適用条件は保険会社によって異なりますが、次のような場合は対象外となることがほとんどです。

  • ・故意または重大な過失によって自分が受けた損害
  • ・無免許運転や麻薬の摂取、飲酒などによる運転によって自分が受けた損害
  • ・記名被保険者とその家族、被保険者の父母、配偶者、子、契約している車の所有者に対する損害賠償請求
  • ・台風、洪水、高潮によって起きた損害

上記のほかにも対象外のケースがあるため、約款を確認したり、加入している保険会社に問い合わせたりしましょう。

保険料が高額になりやすい

弁護士費用特約をつける場合、保険料に費用が加算されます。加算額は、インターネットや電話経由で契約する通販型と、代理店を通して契約する代理店型で一般的に異なります。

また、車種や運転手の年齢などの影響も受けるため、厳密な相場は存在しません。

一般的に自動車保険には弁護士費用特約のほかにも、「人身傷害特約」や「無保険車傷害特約」、「代車提供特約」など、さまざまな補償が付帯できます。

複数の補償を付帯した結果、保険料が高額になる場合があるため、慎重に検討しなければなりません。

6期間限定の運転は1日保険でカバーを

弁護士費用特約は、もしものことを考えると加入しておきたいもの。しかし、友人の車を借りて運転するときなどは、どうしたらよいのでしょうか。

そんなときは、保険期間が1日などの短期間の自動車保険に加入するとよいでしょう。

「車をちょっと借りるだけだから大丈夫」と思うかもしれませんが、事故はいつ起こるかわかりません。万一に備えて、都度保険に入ることをおすすめします。

たとえばドコモが提供する「ドコモ 1日自動車保険」であれば、1日(24時間)800円~補償を受けられます。「プレミアムプラン」であれば弁護士費用特約もあるため、思いもよらない事故に遭ってしまったときも心強いでしょう。

7「ドコモ 1日自動車保険」で安心の運転を

ドコモが提供する「ドコモ 1日自動車保険」は、充実した補償を受けられる自動車保険です。その魅力と特徴をご紹介します。

「ドコモ 1日自動車保険」プレミアムプランの「弁護士費用等補償特約」とは

まず、これまでご紹介してきた弁護士費用特約に相当する「ドコモ 1日自動車保険」の「弁護士費用等補償特約」を紹介します。

「ドコモ 1日自動車保険」には3つのプランがありますが、そのうち「プレミアムプラン」に「弁護士費用等補償特約」が付いています。

この特約では、借りた車を運転しているときに遭った事故で「相手方に損害賠償を請求するために負担した弁護士費用と法律相談費用」について、1事故につき300万円を限度に保険金が払われます。

ここでいう「弁護士費用」と「弁護士相談費用」には、以下のものが含まれます。

弁護士費用 保険会社の承認を得て支出する次の費用
・弁護士等への報酬
・訴訟費用
・仲裁、和解または調停に必要とした費用
・上記のほか、権利の保全または行使に必要な手続きをするために必要とした費用
法律相談費用 法律相談の対価として、弁護士、司法書士または行政書士に対して、保険会社の承認を得て支出する費用

この特約による補償を受けられる人(被保険者)は、契約者本人と同乗者、借りた車の所有者に限られます。

【弁護士費用等補償特約を受けられる人(被保険者)】
・契約者本人
・同乗者
・借りた車の所有者

上記以外の親族などは、対象にならないので注意しましょう。

ドコモ1日自動車保険には3つのプランがある

ドコモ1日自動車保険の3つのプランと補償を見てみましょう。

補償内容は次の3つのプランによって異なります。

・1日(24時間)800円の「シンプルプラン」
・1日(24時間)1,800円の「レギュラープラン」
・1日(24時間)2,600円の「プレミアムプラン」

3つのプランそれぞれの補償範囲は次の通りです。

・対人賠償責任保険(全プラン無制限)

自動車事故によって他人にケガをさせた・死亡に至った場合の補償です。

・対物賠償責任保険(全プラン無制限)

自動車事故で他人の車や所有物を壊したときの補償です。

・搭乗者傷害特約(一時金払)(全プラン1,000万円)

自動車事故による搭乗者の死亡、ケガ、後遺障害に対する補償です。

・自損事故傷害特約(全プラン対象)

相手がいない自動車事故における自分や家族の死亡、ケガ、後遺障害に対する補償です。

・借用自動車の復旧費用補償特約

自動車事故で借りた車を修理したとき、または新しく購入した場合に受けられる補償です。「レギュラープラン」と「プレミアムプラン」は保険金300万円、自己負担額15万円です。ただしレギュラープランでは、補償の対象となる事故の範囲が「車同士の衝突」「動物との接触」「飛来中の他物との衝突」などに限定されています。

・弁護士費用等補償特約

前述のとおり、弁護士費用等補償特約は、「プレミアムプラン」にのみ付帯されます。保険金は300万円です。

・車両搬送・緊急時応急対応費用補償特約およびサービス(全プラン対象)

自動車事故や故障によって、借りた車が走行不能になった際に、修理工場へのレッカー移動とその場での応急処置を受けられる補償です。保険金は、全プラン15万円です。

・被保険者の複数人設定

記名被保険者のほか、最大3名まで被保険者を設定できます。利用には、「シンプルプラン」が400円、「レギュラープラン」が900円、「プレミアムプラン」は1,300円の追加保険料が必要です。追加保険料は追加する人数にかかわらず定額となっています。

「事故対応サポート」もあり

ドコモ 1日自動車保険」は、次の3つの事故対応サービスを受けられます。

・安心のサポート体制

全国236ヵ所ある国内損害サービス拠点で、1万名を超える東京海上日動のグループ会社のスタッフが、借りた車の事故対応をサポートします。

・事故現場アシスト

借りた車で事故にあってから24時間、充実したサポートを受けられます。電話による事故対応のアドバイス、修理工場や病院などの手配が可能です。

・ロードアシスト付帯サービス

事故や故障時のレッカー搬送、車のトラブルや緊急対応などのほか、スペアタイヤ交換やバッテリーの点検、インロック時のカギ開け、燃料切れのときのガソリン配達、故障相談などの各種サービスがついています。

>>ドコモの保険サービス「ドコモ 1日自動車保険」の詳細はこちら

8弁護士費用特約はもしものときに心強い

弁護士費用特約は、示談交渉や損害賠償請求などにかかった弁護士費用を一定額内で補償する特約です。付帯しておくことで、気軽に弁護士への依頼が可能となります。

弁護士費用特約の保険料は保険会社によって異なりますが、「ドコモの1日自動車保険」の「プレミアムプラン」であれば、300万円の保険金を受け取れます。「弁護士費用等補償特約」を付帯して、事故発生時のトラブルにしっかり備えましょう。

※本記事は2021年3月3日時点の内容であり、将来の商品改定によっては内容が変更になる可能性ございます。

文・松岡紀史(ファイナンシャル・プランナー、ライツワードFP事務所

筑波大学経営・政策科学研究科でファイナンスを学ぶ。20代の時1年間滞在したオーストラリアで、収入は少ないながら楽しく暮らす現地の人の生活に感銘を受け、日本にも同様の生活スタイルを広めたいという想いから、 帰国後AFPを取得しライツワードFP事務所を設立。家計改善と生活の質の両立を目指し、無理のない節約やお金のかからない趣味の提案などを行っている。

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