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2020.01.21

「人身傷害補償保険」の事例を紹介!「搭乗者傷害特約」との違いも解説

目次

交通事故において、自分や同乗者のケガに備えられるのが「人身傷害補償保険」です。過失割合にかかわらず、また相手との示談交渉を待たずに、保険会社から迅速に補償が受けられます。

「人身傷害補償保険」がどのようなシーンで役立つか、支払例で確認してみましょう。また、補償内容が似ている「搭乗者傷害特約」との違いについても解説します。

1「人身傷害補償保険」とはどんな保険?

「人身傷害補償保険」とは、自動車保険とセットで提供されている保険です。まずは概要を確認しましょう。

自分や同乗者のリスクに備えるもの

「人身傷害補償保険」は、自分や同乗者のケガや死亡のリスクに備えられる保険です。

交通事故の相手方については自賠責保険などで補償されますが、自分や同乗者の補償はありません。「人身傷害補償保険」に加入することで、自分や同乗者の補償を受けられるようになります。

自分に過失があっても受け取れる

通常、交通事故で生じた自分の損害(ケガなど)は、相手方から賠償を受けられます。しかし賠償を受けられるのは「相手に過失があった場合」だけです。

相手に過失が全くない事故(または単独事故)の場合、損害はすべて自分で負担しないといけません。

また、自分と相手の双方に過失があった場合、受けられる賠償は「相手の過失分」だけです。

例えば双方の過失の割合が「自分40:相手60」のとき、自分に生じた損害が100万円だとすると、受けられる賠償の額は60万円です。

100万円の損害にもかかわらず、60万円しか賠償されませんから、差の40万円は自己負担となってしまいます。

一方、「人身傷害補償保険」では、支払われる保険金に過失は関係ありません。「自分に過失がある場合」でも、保険会社から補償を受けられます。

実費に対して保険金が支払われる

「人身傷害補償保険」から支払われる保険金は、契約した保険金額を限度に、「実際に生じた損害」に対して支払われます。

例えば「人身傷害補償保険」の保険金額が1,000万円で、入院や通院で合計100万円の治療費がかかった場合、実費分100万円が支払われます。

補償範囲は大きく分けて2種類

「人身傷害補償保険」の補償範囲は、一般的に大きく以下の2種類に分かれます。

【人身傷害補償保険 2種の補償範囲】
搭乗中のみ補償 補償される方 契約車に搭乗している方
補償される交通事故 契約車に搭乗している際の交通事故
搭乗中・歩行中なども補償 補償される方 車内:契約車に搭乗している方
車外:記名被保険者+記名被保険者の家族
補償される交通事故 契約車を含め、知人の車やバス・タクシーに搭乗中、または歩行中など、さまざまな交通事故
  • ※実際の補償範囲は、各保険の契約内容をご確認ください。

「搭乗中のみ補償」タイプは、契約車に搭乗中の交通事故だけを補償します。運転手のほか、同乗している方も補償対象になることが多いでしょう。

「搭乗中・歩行中なども補償」のタイプは、契約車に搭乗している方はもちろん、記名被保険者とその家族なら、歩行中などの交通事故も補償される、手厚い保険です。

ご自身に必要な補償を選択しましょう。

2「人身傷害補償保険」のメリット

「人身傷害補償保険」のメリットを3つ確認しましょう。

より確実に損害の補償を受けられる

上述の通り、「人身傷害補償保険」は、過失割合にかかわらず損害の全額が保険会社から補償されます。お金の心配をせず、安心して治療に専念できる点が大きなメリットです。

示談交渉中でも受け取れる

相手からの賠償金は、相手との示談交渉がまとまらないと受け取れません。交渉が長引いてしまった場合、賠償金の受け取りが遅れ治療費の支払いに支障が出るかもしれません。

「人身傷害補償保険」なら、保険会社から保険金がスピーディーに支払われます。相手との交渉を待たずに治療できる点もメリットです。

等級に影響しない

交通事故で自動車保険を活用すると、次回の更新時に等級が下がり、保険料が上昇するケースがあります。

しかし「人身傷害補償保険」のみを活用する場合、等級に影響はありません。安心して利用できる点も魅力の一つと言えるでしょう。

3「人身傷害補償保険」のデメリットや注意点

メリットだけではなく、「人身傷害補償保険」のデメリットや注意点も押さえておきましょう。

賠償金がある場合に保険金が相殺される

「人身傷害補償保険」は、生じた損害のすべてを保険金で補償します。しかし相手から先に賠償金を受け取った場合、受け取った賠償金を引いた金額が支払われます。

また、先に「人身傷害補償保険」から保険金を受け取った場合、相手に損害賠償を請求することはできません。請求権が保険会社に移るためです。

【FPからのワンポイントアドバイス】

ポイントは、「人身傷害補償保険」に加入しても「受け取れるお金が増えるわけではない」という点です。

例えば100万円の損害が出た交通事故で、相手が60万円の賠償金を支払うとします。賠償金と保険金のどちらを先に受け取るかで、それぞれ以下のような違いがありますが、どちらも受け取れるお金は100万円です。

・賠償金を先に受け取る場合:賠償金60万円+保険金40万円=100万円
・保険金を先に受け取る場合:保険金100万円(相手からの賠償金60万円は保険会社が請求)

「人身傷害補償保険」は、“より確実に補償を受けられる”という点に特徴があります。大きな保険金額を設定しても、たくさんのお金を受け取れるわけではない点に注意しましょう。

保険料が高い場合がある

補償が手厚いと保険料が高くなるケースがあります。保険料については、後で節約できるテクニックをご紹介します。

保険金が支払われないケースがある

一般に、以下のようなケースの交通事故では、「人身傷害補償保険」から保険金は支払われません。

【人身傷害補償保険 保険金が支払われない主なケース】
・補償される方が正常な運転ができない状態(無免許・酒気帯び運転など)で運転し起きた事故
・補償される方の自殺行為または犯罪行為で起きた事故
・補償される方の重大な過失によって起きた事故

※上記は一般例です。詳しくは各保険の「免責事由」をご確認ください。

4「人身傷害補償保険」の支払例

「人身傷害補償保険」はどのようなケースで支払われるのか、支払例をご紹介します。

ここでご紹介するのはあくまで一例で、実際に受け取れる保険金は契約内容や事故状況で異なります。あくまで参考程度にとどめておいてください。

支払例1:電柱に衝突し、ケガなどで50万円の損害が出た(単独事故)

・過失割合:単独事故
・「人身傷害補償保険」に加入している場合:保険会社から50万円の保険金を受け取れる
・「人身傷害補償保険」に加入していない場合:0円

電柱に衝突し、自分がケガをしてしまったケースです。単独事故で相手がいませんから、賠償金を受け取れません。人身傷害補償保険に加入していれば、損害の全額を保険金として受け取れます。

【FPからのワンポイントアドバイス】

「人身傷害補償保険」から補償されるのは「治療費」だけではありません。以下のような損害も補償されます。

【人身傷害補償保険 補償される損害の例】
・ケガの治療費
・休業損害
・精神的損害(慰謝料)
・後遺障害を負った場合、または死亡時の逸失利益 など

支払例2:車同士の接触で100万円の損害が出たが、こちらの過失が大きいケース

・過失割合 相手:自分=20:80
・「人身傷害補償保険」に加入している場合:保険会社から100万円の保険金を受け取れる
・「人身傷害補償保険」に加入していない場合:0円(相手の過失分20は、相手への賠償と相殺)

こちらの過失が大きい事故の場合、一般に相手への賠償金額の方が大きくなるため、賠償金を受け取ることはできません。

「人身傷害補償保険」なら過失割合にかかわらず保険金が支払われるため、自分に生じた損害はすべて補償されます。

支払例3:「もらい事故」で100万円の損害が出たが、相手が支払いを拒否するケース

・過失割合 相手:自分=100:0
・「人身傷害補償保険」に加入している場合:保険会社から100万円の保険金を受け取れる
・「人身傷害補償保険」に加入していない場合:相手が100万円を支払うまで、自分で交渉

こちらに過失が全く無い事故を「もらい事故」と呼びます。本来、生じた損害は全額相手から賠償を受けられますが、相手が支払いを拒否するケースも考えられます。

もらい事故の場合、通常は保険会社が相手と交渉することはできません。弁護士法が禁止する「非弁行為」に該当してしまうためです。したがって、自分で相手と交渉するか、または弁護士などに依頼して賠償を請求しないといけません。

「人身傷害補償保険」に加入していれば、保険会社から損害の全額を保険金として受け取れます。相手に支払能力がない場合も、保険金から充分な補償を受けられます。

5「人身傷害補償保険」の保険金はいくらにすべき?

「人身傷害補償保険」の保険金額は、数千万円〜無制限など高額の保険金額を設定できます。いくらに設定すべきか、個人の事情によって異なるため一概に「この金額がいい」とは言えません。

死亡や後遺障害についての補償は、別の保険で備えるという選択肢もあります。すでに他の死亡保険などに加入している場合、「人身傷害補償保険」の保険金額は少なくしてもよいかもしれません。

6似ているけど少し違う、「搭乗者傷害特約」とは?

「搭乗者傷害特約」とは、「人身傷害補償保険」と同じく、交通事故で自分方の運転手や同乗者がケガをした場合や、亡くなった場合に保険金が支払われる保険です。

発生した損害に応じて保険金が支払われるのではなく、「あらかじめ定められた金額が支払われる」という特徴があります。

入院日数や後遺障害の程度に応じて支払われる

ケガに対する支払方法には、入院や通院1日あたりで計算された保険金が支払われる「日数払い」と、ケガをした部位と症状に応じて定められた保険金が支払われる「部位・症状別払い」があります。

搭乗者傷害特約の多くは「部位・症状別払い」が適用されています。

事故の相手側から賠償金が支払われるときも保険金が受け取れる

搭乗者傷害特約に加入していれば、交通事故で相手側から支払われる賠償金とは別で保険金を受け取ることが可能です。また、人身傷害保険金や自損事故保険金なども別で受け取れるため、損害をより多く補てんできます。

「搭乗者傷害特約」の支払例

それでは、搭乗者傷害特約による保険金が支払われる事例をご紹介します。こちらもあくまで一例なので、参考程度にとどめてください。

入院・通院日数が通算して4日以内の場合(日数は代表例です)

医療保険金として一時金が支払われます。継続的な経過観察が不要で、軽い手当てで様子を見るようなケガが該当するでしょう。ただし、ケガの程度や部位で大きく異なるため、入院・通院が4日を超えるかどうかは、そのときにならなければわかりません。

入院・通院日数が通算して5日以上の場合(日数は代表例です)

ケガの部位や症状に応じて、入通院給付金が支払われます。支払例は次の通りです。
部位・症状:首のねんざ(むち打ち)、足首の骨折
保険金額:首のねんざ10 万円、足首の骨折 30 万円

このように、入院や通院期間が一定のラインを超えると、保険金額が大きく上がります。また、保険会社によっては「5日以上の入院・通院で保険金は一律10万円」のように、傷害一時金を支払うところもあります。

※この記事では入院日数によって保険金額が決まる旨記載していますが、あくまで一例です。詳しくは各損害保険会社の約款等でご確認ください。

7「人身傷害補償保険」と「搭乗者傷害特約」の特徴と違い

それでは、「人身傷害補償保険」と「搭乗者傷害特約」の違いについて詳しくみていきましょう。

支払いの時期 「搭乗者傷害特約の方が早い」

「人身傷害補償保険」は自動車事故を起こした後、示談交渉を待たずに支払われます。ただし、保険会社が損害額を算出し、保険金額が確定するまで時間がかかる場合もあります。

そのため支払時期としては、あらかじめ定められた保険金額が支給される「搭乗者傷害特約」の方が早い傾向にあります。

支払われる金額の仕組み 「搭乗者傷害特約は定額の支払い」

人身傷害補償保険は、損害額を保険会社が定めた基準に基づいて算出し保険金が支払われるのに対し、搭乗者傷害保険は、あらかじめ定められている保険金額が支払われます。

「人身傷害補償保険」と「搭乗者傷害特約」の特徴まとめ

人身傷害補償保険
(搭乗中のみ補償)
人身傷害補償保険
(搭乗中・歩行中なども補償)
搭乗者傷害特約
保険金 契約時に定められた保険金額を限度とした実損額(総損害額)が支払われる 契約時に定められた保険金額を限度とした実損額(総損害額)が支払われる 契約時にあらかじめ定められた保険金額が支払われる
補償される交通事故 契約車での事故 ・契約車での事故
・バスやタクシー、他人の車など契約外の車での事故
・歩行中や自転車搭乗中の自動車事故
契約車での事故
補償される方 契約車の搭乗者 ・契約車での事故の場合は、契約車の搭乗者
・契約外車両・歩行中等の事故の場合は、記名被保険者とその家族
契約車の搭乗者

【FPからのワンポイントアドバイス】

「人身傷害補償保険」は実際の損害を補填するため、過不足がないよう保険金を受け取れます。

一方、「搭乗者傷害特約」は、あらかじめ決められた保険金が支払われるため、実際の損害よりも多く受け取れる場合もあれば、少ないケースもあり得ます。

受け取れる保険金を把握しやすい点は「搭乗者傷害特約」のメリットですが、あまりに少ない保険金額を設定しないよう注意しましょう。

8「人身傷害補償保険」と「搭乗者傷害特約」の保険料を節約する方法

「人身傷害補償保険」と「搭乗者傷害特約」の保険料を節約したい場合、以下の2つのポイントを押さえましょう。

設定金額を工夫する

「人身傷害補償保険」や「搭乗者傷害特約」の保険金額を少なく設定すると、保険料が安くなる傾向にあります。

自分のケガや死亡は別の保険などですでに備えている場合、あえて保険金額を少なく設定する選択肢もあります。保険金額ごとに見積もりを出し、数パターンの保険料を検討しましょう。

期間限定の保険を活用する

普段あまり運転しない場合、自動車保険そのものを「短い保険期間のもの」に変える選択肢もあります。

自動車保険の保険契約は1年が一般的で、自動的に更新されます。年間を通して補償が受けられますが、ご自身が自動車をお持ちでない等、普段あまり車を運転しない方は、通年の補償は必要ないかもしれません。

短い保険期間で充分だという場合、期間限定の保険を活用するとよいでしょう。保険期間が短い分、保険料も安い傾向があります。

例えば、「ドコモ 1日自動車保険」なら24時間800円からの保険料で補償が受けられ、すべてのプランに「搭乗者傷害特約」がついています。1日単位で契約できるため、最小限の保険料で補償を受けられることが特徴です。

9「搭乗者傷害特約」の保険料を節約するなら、「ドコモ1日自動車保険」がおすすめ

先ほどご紹介したように、ドコモでは1日単位で加入できる自動車保険を提供しています。すべてのプランで「搭乗者傷害特約」が付帯しているため、自分や同乗者の損害について迅速な補償を受けられます。

「ドコモ1日自動車保険」がおすすめなのは、こんな人

「ドコモ1日自動車保険」は、特に以下のような悩みを持っている方におすすめの保険です。

・たまにしか車に乗らないから毎月支払うタイプの自動車保険は金銭面で負担に感じる
・家族に車を貸し出すときに保険をかけたい
・友人の車を借りるときに保険をかけたい

1日単位で契約できるため、車を利用するさまざまなシーンに柔軟に対応できるのが魅力です。

「ドコモ1日自動車保険」の特徴

それでは、「ドコモ 1日自動車保険」の特徴をご紹介します。

①補償内容は3つのプランによって異なる

ドコモ 1日自動車保険」は、わかりやすい3つのプランとなっているため、検討しやすいことが特徴です。

・「シンプルプラン」
・「レギュラープラン」
・「プレミアムプラン」

それぞれに補償内容と保険料が異なり、「シンプルプラン」であれば24時間800円で加入できます。

②自動車保険の補償範囲

すべてのプランに、以下の保険が付帯しているため安心です。

・対人賠償責任保険(無制限)
・対物賠償責任保険(無制限)
・対物超過修理費特約
・搭乗者傷害特約(一時金払)(1,000万円)
・自損事故傷害特約
・車両搬送・緊急時応急対応費用補償特約(15万円)

「レギュラープラン」には、「借用自動車の復旧費用補償特約(対象事故限定条件付)」が、さらに「プレミアムプラン」には「借用自動車の復旧費用補償特約」に加えて「弁護士費用等補償特約」がついていることが特徴です。

③事故対応サービスの紹介

ドコモ 1日自動車保険」は、事故対応サービスも充実しています。国内236ヵ所ある拠点の東京海上日動のグループ会社のスタッフにより「事故発生から24時間」をサポート。電話による事故対応のアドバイス、修理工場や病院などへの手配、被害者への連絡などに対応可能です。

さらに、スペアタイヤ交換やバッテリー交換、インロック時のカギ開け、燃料切れ時のガソリン配達サービス、車の故障相談サービスなどの付帯サービスも充実しています。

ドコモ 1日自動車保険」は、スマホからネットワーク暗証番号と生年月日を入力するだけで簡単に手続きが可能です。そのうえ、料金は月々のスマホ料金と一緒に請求されるため、面倒な手続きはありません。
この機会に、是非「ドコモ 1日自動車保険」 への加入を検討してみてはいかがでしょうか。

>>「ドコモ 1日自動車保険」の詳細はこちら

10自身のケガの備えも忘れずに 「ドコモ1日自動車保険」の活用もおすすめ

自賠責では自分や同乗者の損害は補償されません。通常は相手方から賠償を受けられますが、過失割合などで賠償を受けられないケースもあります。

自分や同乗者の損賠をより確実に補償してくれるのが「人身傷害補償保険」や「搭乗者傷害特約」です。保険料に注意が必要ですが、保険金額を低く設定する、または必要なときだけ「ドコモ1日自動車保険」のような保険で備えるといった方法で保険料を節約できます。

交通事故に備える場合、これらの保険を活用し、自身のケガにもきちんと備えましょう。

※本記事は2021年3月4日時点の内容であり、将来の商品改定によっては内容が変更になる可能性がございます。

文・若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業、保険募集代理業、金融系ライターとして活動しています。
関心のあるジャンルは資産運用や保険、またお得なポイントサービスなど。お金にまつわることなら幅広くカバーし、発信しています。
AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有。

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