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保険の基礎知識
2021.09.27

医療保険と生命保険の違いを解説 選び方や加入の注意点もお伝えします

目次

病気や死亡といったリスクは、年齢を重ねるごとに発生確率が高まる傾向があり、万が一の際の金銭的備えとして、医療や死亡といった各種保険の利用が重要となります。

本記事では、医療保険と生命保険の違いや、国民健康保険や組合健康保険といった公的医療保険を加味した場合の保険の選び方などについて解説していきます。

1医療保険は2種類 生命保険との違いは?

身体に関する保険として、主に病気やけがなどに備える「医療保険」と、死亡や高度障害に備える「生命(死亡)保険」に大別することができます。

このうち、医療保険は運営主体によって公的医療保険と民間医療保険にさらに区別することができます。医療保険が必要か否かを判断するためには、まずこの2つの医療保険について知る必要があります。

公的医療保険と民間医療保険

日本では公的医療保険について、国民全員を被保険者とする「国民皆保険制度」を導入しており、安い医療費で高度な治療を受けることができたり、病院を自由に選択できたりするといった特徴があります。

公的医療保険は、市町村国保・協会けんぽ・組合健保などが主な運営主体となっています。

市町村国保は主に75歳未満の個人事業主や年金生活者などが加入しています。保険料は運営主体となる自治体によって異なり、世帯収入や人数、固定資産税の額などによって保険料が変化します。

協会けんぽ・組合健保は主に会社員などが加入し、保険料は給与収入によって変化します。

所得に対する保険料の負担割合の平均は2017年のデータでは市町村国保が最も高く10.2%、ついで協会けんぽが7.5%、組合健保が5.8%となっています。

公的医療保険は職業により2種類に分かれる

公的医療保険のうち、協会けんぽと組合健保は保険料負担割合が比較的低く設定されています。この種類はいずれも会社員が主に所属していますが、所属している企業の規模によって加入する先が異なります。

協会けんぽは、主に中小企業の会社員などが加入し、組合健保は大企業の会社員が加入します。

組合健保は大企業の事業主の申請によって設立され、事業の実態に即した保険を提供しています。また、事業主と従業員が積極的に事故や病気の予防に取り組むことで保険料負担率を低く抑えられるといった特徴があります。

医療保険と生命保険の違い

生命保険は、主には人の生死に関して一定額を保障する保険の総称です。

生命保険は、ベースとなる主契約部分とオプションである特約部分に区分されており、主契約部分は単独でも保険は成立しますが、特約部分だけでは保険契約を維持することはできず、主契約を解約すると特約部分も同時に解約されてしまいます。

生命保険の一般的な主契約部分は、定期保険などの死亡保険、年金保険などの生存保険、養老保険などの生死混合保険などがあります。

一般に生命保険と呼ばれているものは正確には死亡保険となり、保険の目的は遺族が保険の契約者の死亡に備えるためのもので、保険金は遺族が受け取ることになります。

医療保険は、疾病や傷害、介護など自分自身の医療費に対して契約した本人が一定の保険金を受け取ることができる保険です。

公的医療保険での不足分を民間の保険や生命保険で補完

公的医療保険制度では、保険加入者の傷病や死亡に広く対応することができるのですが、遺族の構成や年齢によっては保障額が不足する恐れがあります。

このため、民間の医療保険や生命保険によって公的医療保険制度で不足する部分を補完することが必要になります。しかし公的医療保険の保障額や内容は、就労形態や給与収入の額によって変動し、必要な保障額も世帯の状況によって異なります。

民間医療保険などの補完がどの程度必要なのかは個別性が強いため、保険の加入者と世帯のおかれている状況を加味して判断することが重要といえます。

2医療保険の選び方

医療保険にはがん保険のように特定の病気に特化したものなど、保険金を受け取れる条件などが異なるため、契約の際には自身の要望に沿った医療保険を選択することが重要です。

医療保険のタイプを選ぶ

医療保険を選ぶ際、最初に保障期間と保険料のタイプを検討しましょう。

医療保険の保障期間は、一定年数ごとに契約内容の更新が行われ、年齢に上限のある定期型と、当初の契約内容が一生涯引き継がれる終身型があります。

また、保険料についても掛け捨て型と支払った保険料の一部が貯蓄される貯蓄型があり、保障内容が同一であれば掛け捨て型のほうが保険料を安く抑えることができます。

入院・手術・通院にどれくらいの備えが必要か?

保障期間・保険料の確認の次は、入院・手術・通院時の保険金額について検討しましょう。

生命保険文化センターが公表している「令和元年度 生活保障に関する調査」では、入院時1日あたりの自己負担額の平均は2万3,300円となっています。

また、退院までの平均的な日数も、脳血管疾患では89.5日、高血圧性疾患では60.5日と病気によっては入院期間が長くなり、多額の金銭的負担が生じます。

傷病に関する保険金は多いほどよいのですが、保障が手厚くなるに従って保険料も高額となってしまいます。保険金の額を定める場合は、公的医療保険からの給付額と合わせて必要最低限の金額となるよう設定することをおすすめします。

目的に合わせて特約を選ぶ

医療保険は特定の病気や治療法に対応した特約を附帯させることができます。

例えば、がんなどの難病に際し先進医療が選択肢となる場合もあります。しかし先進医療の技術料は公的医療保険の対象外のため、多額の自己負担が生じてしまいます。

こうした場合でも、費用を気にせず充分な治療が行えるよう先進医療の費用に備える「先進医療特約」や、この他にも女性特有の病気に備える「女性プラン」といった特約がありますので、自身の医療保険の目的に沿って保障内容をカスタマイズするとよいでしょう。

年代により必要な保障は異なる

傷病によって休業を余儀なくされた場合の金銭的損害のリスクは、人生においてずっと一定ではありません。

例えば子育て期間など、多くの金銭が必要な時期の休業は、家族の生活を支える必要があるため保険による保障を充実させる必要があります。

しかし、子供が独立したあとや、年金生活時などであれば子育て期間ほど多くの保障は必要ではないかもしれません。ライフステージの変化により必要な保障が異なる点に留意し、保障内容が過剰とならないよう注意しましょう。

3医療保険の加入時に注意すること

民間医療保険は病気にかかりやすい高年齢者に必要と思われるかもしれません。

しかし、就労して日が浅く充分な貯蓄のできていない若年層も傷病時の金銭的負担に備えるために民間医療保険が有効な場合があります。民間医療保険へ加入する際の注意点をよく把握し、保険を充分に活用できるようにしましょう。

公的医療保険や勤務先の福利厚生を確認

傷病による休業の補償は、民間医療保険だけで備えてしまうと補償内容が過剰となったり保険料が高額となったりしてしまう恐れがあります。公的医療保険の傷病手当金や、勤め先の労災保険の休業補償といった福利厚生を併用しておくことが大切です。

傷病への備えには医療保険も大切ですが、預貯金も同様に重要です。保険料を支払いすぎてしまい貯蓄による備えを弱めてしまわないように注意しましょう。

病気になったときに何が必要かをはっきりさせておく

保障範囲を広くとってしまうと保険料の高騰を招いたり、かえって必要な保障が薄くなってしまったりする恐れがあります。どのような病気に備えたいのか、入院・手術・通院でいくら必要なのかをイメージではなく、根拠のある数字で把握しておきましょう。

また保険契約に先立って、傷病発生時に家族が不安にならないよう保障内容を共有しておくことが望ましいといえます。

無理のない保険料で

給与による収入も定年退職に伴う再雇用などで大きく減少する場合もあります。保険料が高額な保険 だと、将来収入が減少したときに保険契約を維持できなくなる可能性もあります。将来の収入が変動することも見据えて医療保険を選択するようにしましょう。

すでに加入済みの場合、切り替えるときの解約のタイミングに注意

がんは病巣の発見や自覚症状の発現までに時間がかかる場合があるため、がん保険には支払猶予期間が設定されています。

がん保険で保障が開始されるためには、保険加入後から一定期間経過する必要があり、支払猶予期間にがんが発見された場合は保険契約が無効となってしまいます。

がんに対する保障を途切れさせないためには、切り替え先の医療保険の支払猶予期間が過ぎるまで古い医療保険の契約を維持する必要がありますので、解約のタイミングに気をつけましょう。

4医療保険は将来必要となる保障内容と継続可能な保険料の設定を

医療保険は入院・手術・通院が生じた場合に一定額を得るタイプの保険です。医療保険の種類も多岐に渡り、がん保険や女性特有の疾病など、特定の疾病に特化したものもあるため、不安に感じる内容や年齢に応じて適した医療保険が異なります。

医療保険の保障内容を決める場合は、まず定期・終身といった保障期間や保険料タイプは掛け捨て型か貯蓄型かといった保険の基本的な性格を定めたのち、必要な保険金の額を算出することになります。

この際、民間医療保険だけでなく、健康保険の傷病手当など自身の加入している公的医療保険の保障を加味して検討することが大切です。もし自身で保障の要・不要の判断を行うのが難しい場合は、AIに必要な保障内容を見極めてもらうという方法もあります。

ドコモが提供する「AIほけん」ではスマホで簡単な質問に答えるだけで自身に必要な保険の提案を受けることができます。「医療保険」では、疾病による入院や手術・通院といった一般的な補償に加え、女性特有の病気や先進医療を補償する特約も追加できるようになっています。ケガによる入院、手術にも備えたい場合は、「ケガの保険」も合わせて検討すると良いでしょう。

スマホやパソコンなどで手続きが行えるので、時間や場所を選ばない手軽さも魅力です。医療保険を検討していてもなかなか時間がとれない方などは積極的な利用を検討してみてはいかがでしょうか。

※本記事は2021年2月27日時点の内容であり、将来の商品改定によっては内容が変更になる可能性がございます。

文・菊原浩司(ファイナンシャル・プランナー)

FPオフィスConserve & Investment代表。2級ファイナンシャルプランニング技能士、一種証券外務員資格保有、管理業務主任者。不動産・資産運用、マイホームの取得、各種保険の活用や教育費の備えなど、老後貧困に陥らぬよう複雑化するマネープランに備えます。

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