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保険の基礎知識
2021.06.28

がん保険はいらない?がんにかかったときに必要なお金とがん保険の選び方

目次

日本人の死因で一番多い病気は何かご存知ですか?

厚生労働省によると、1981年から2019年まで「がん」が第一位となっています。がんは、一生涯で2人に1人が掛かる病気です。「まだ若いし、がん保険はいらない」と考えている方も、これを機にがんへの備えについて考えてみてはいかがでしょうか。

今回は、がんの罹患率や医療費を公的な調査から紹介し、がん保険の概要についてご紹介します。

1がんに掛かったら?

まずは公的な調査から、がんに関する情報を確認しましょう。

がんの罹患率

どれくらいの人ががんになるか、公的な調査から確認してみましょう。

国立がんセンター「最新がん統計(更新・確認日:2021年02月10日)」によると、男女共に50代以降、がんの罹患率が上昇しています。

  • (画像=著者作成)

20~50代では女性のほうが男性よりやや高く、60代以降は男性のほうが顕著に高くなっています。

また、生涯でがんにかかる確率は、男性で65.5%、女性で50.2%で、男女どちらも2人に1人ががんに罹患しています。

  • (画像=著者作成)

がん罹患後の生存率は?

がんと診断された人のうち、どれくらいの生命が救われているかを示す指標が「5年相対生存率」です。

がんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、日本人全体で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いかで表されます。100%に近いほど治療で生命を救えるがん、0%に近いほど治療で救い難いがんと言えます。

国立がんセンター「最新がん統計(更新・確認日:2021年02月10日)」によると、2009~2011年にがんと診断された人の5年相対生存率は、男女の合計で64.1%でした。半数以上の人が治療で生命を救われているようです。

5年相対生存率は近年上昇を続けています。がんになっても、治療をすれば回復できる可能性が高いです。

  • (画像=著者作成)

がんに罹患するとかかる医療費はどれくらい?

がんの治療に関する医療費はどれくらいかかるのでしょうか。全日本病院協会が公表している「医療費(重症度別)」によると、主ながんの医療費は以下の通りです。

1入院費用 1日単価
直腸がん 102万2,965円 8万2,581円
胃がん 95万3,595円 6万6,896円
結腸がん 92万4,594円 7万8,004円
気管支および肺のがん 85万5,040円 8万9,480円
乳房がん 77万1,560円 9万8,739円

最も1入院あたりの費用が大きいのは「直腸がん」で、100万円を超える費用となっています。他のがんも高額な医療費が発生しています。

公的医療保険があるため、上記の金額すべてを自己負担する必要はありませんが、それでも負担は少なくありません。

がんは医療費以外にも費用が掛かる

がんになった場合、心配なのは医療費だけではありません。入院が必要なら衣服費や家族の交通費などの負担がありますし、個室を希望した場合には差額ベッド代が請求されるケースもあります。

また、治療のために仕事を休む必要がある場合、収入が減る可能性もあります。仕事を続けられない場合、普段の生活費についても備えておかなければいけません。

2がん保険の必要性

がんは深刻な病気ですが、公的医療保険や通常の医療保険の活用で一定程度はがんに備えられます。公的制度の保障を確認した上で、それでもがん保険が必要なケースについて解説します。

がんに罹患したときに頼れる公的制度

国民の誰もが加入しているのが公的医療保険です。会社員は「協会けんぽ」または「組合健保」に、自営業の場合などは「国民健康保険」に加入しています。

公的医療保険からは以下のような保障を受けられます。

【公的医療保険 主な保障】

1.医療費の自己負担額は最大3割
2.高額療養費制度
3.傷病手当金

1.医療費の自己負担額は最大3割

公的医療保険に加入していれば、医療費の自己負担額は最大3割に抑えられます。がんの医療費は高額になるケースがありますが、私たちがその全額を負担する必要はありません。

2.高額療養費制度

自己負担が3割となっても負担額がまだ大きい場合、一定以上の負担が払い戻されるのが「高額療養費制度」です。収入に応じて「自己負担限度額」が設定されており、これを超える医療費は払い戻されます。

3.傷病手当金

病気休業で4日以上働けなくなった場合、公的医療保険から「傷病手当金」が支給されます(国民健康保険は対象外)。概ね収入の3分の2の金額が最長1年半に渡って支給されます。

公的医療保険ではカバーされない費用がある

上記のように、公的医療保険はがん治療においても頼れる存在です。しかし、公的医療保険の対象外となる治療もある点には注意が必要です。

公的医療保険が対象とする治療は、保険適用が認められた治療のみです。がん治療には先進的な医療や薬が用いられる場合がありますが、保険適用が認められていないと医療費の全額が自己負担となります。また先進医療は高額療養費制度の適用もありません。

【先進医療の技術料 1件あたりの平均額】

・陽子線治療 約269.8万円
・重粒子線治療 約308.9万円
※「重粒子線治療」は部位によって保険適用

他の病気やケガの入院と同様、以下のような費用は公的医療保険の対象外です。

【公的医療保険 対象外の費用の例】

・入院時の食事代
・入院したことによってかかる雑費や日用品代
・差額ベッド代
・健康診断、人間ドックなど
・その他、医師が治療を必要と認めないもの

確かに公的医療保険は手厚い保障を受けられますが、公的医療保険だけでは不十分なケースもあります。公的医療保険でカバーできない部分は、がん保険で備えるようにしましょう。

がん保険でもらえるお金

では、がん保険でもらえるお金にはどのようなものがあるのでしょうか。保険によってさまざまですが、基本的には以下のような場合に保険金を受け取れます。

【がん保険 保険金を受け取れるケース】

・がん診断保険金:がんと診断されたとき
・がん入院、通院保険金:がんで入院または通院したとき
・がん手術保険金:所定の手術を受けたとき

特徴は、がんと診断されれば保険金を受け取れる点です。多くのがん保険では、一時金としてまとまった保険金が支払われます。また、診断後、入院や通院、手術などの治療を受けた際、保険金を受け取れるタイプもあります。

がんに罹患した場合、精神的負担、金銭的負担ともに大きなものとなります。がん保険に加入しておくことで、金銭的負担を手助けしてくれる存在となるでしょう。

医療保険に入っていればがん保険は不要?

がん保険に似ているのが「医療保険」です。商品によって異なるため一概にはいえませんが、主に以下のような違いがあります。

がん保険 医療保険
補償の対象 がん 病気、ケガ
1入院あたりの支払限度日数 無制限 制限あり
通算の入院支払限度日数 無制限 制限あり

保障の対象が広いのは医療保険です。がん保険はがんに特化していますが、医療保険は病気のほか、ケガについても保障されます。ポイントは、入院(もしくは通院)保険金の「支払限度日数」です。

入院保険金は、入院日数に応じて保険金が支払われます。支払限度日数はその上限を定めたもので、例えば100日を支払限度日数とする場合、101日目からの入院は保険金が出ません。

がん保険の多くは支払限度日数を無制限としています。これは、一般にがん治療のための入院が長引く傾向にあるためです。

一方、医療保険の場合は、1回の入院あたり、また保険期間を通した通算の入院日数の双方で支払限度日数を設けています。入院が長引くと保険金を受け取れないケースが想定されます。

上記から、医療保険でもがんに対して一定の保障を受けられますが、治療が長引くと不十分な保障となってしまうケースが想定されます。したがって、「医療保険に加入していればがん保険は不要」とは一概にはいえません。

がんに備えるなら、がんの治療に特化したがん保険のほうが向いているでしょう。

がん保険が必要な人、不要な人

がん保険が必要とするのはどのような人でしょうか。

がん保険に限りませんが、貯蓄が充分にあり、治療費を払ってもなお経済的余裕がある人にはがん保険は不要かもしれません。逆にいえば、そうでない人はがん保険に加入したほうがよいといえます。

冒頭でお伝えした通り、がんは2人に1人が罹患する病気で、その負担も決して小さくありません。保険による保障があれば治療に専念できるでしょう。

現在は保険料の安いがん保険も登場しています。例えばドコモの「AIほけん」のがん保険の場合、月140円の保険料から加入できます。

お金の備えが無いから治療を諦めるしかない……そんな事態を防ぐためにも、がん保険への加入をおすすめします。

3がん保険の選び方、4つのポイント

がん保険はどのように選べばよいのでしょうか。ポイントを押さえましょう。

1.診断保険金が再発でも出るもの

がんは再発の可能性がある病気です。いったん治療が終わっても、後日改めてがんと診断される可能性があります。

がん保険は、再発も含め、診断保険金が何度も出るタイプを選択しましょう。

2.通院による治療にも給付金があるもの

がんの治療は一般的に長引く傾向がありますが、入院日数は近年短くなってきています。入院だけでなく、薬物療法や放射線治療などの通院による治療も想定する必要があるでしょう。

入院だけではなく、通院でも保険金が受け取れるがん保険を選択しましょう。

3.先進医療に対する補償のあるもの

先進医療は、有効性が一定程度認められた治療法ですが、公的医療保険の対象外のため、全額自己負担となってしまいます。

治療の選択肢を狭めないため、先進医療の保障があるタイプを選択しましょう。

4.女性なら「上皮内がん」に対する補償もついているもの

一概にはいえませんが、女性特有のがんは「上皮内がん」と診断されるケースが多い特徴があります。

「上皮」とは特定の臓器を示す言葉ではなく、臓器の表面を覆う組織を指します。上皮内がんとは、上皮にとどまっているがんで、臓器の深いところまで広がっておらず、転移の可能性が低いがんの総称です。

上皮から発生するがん(乳がん、子宮がんなど)の中には、上皮内がんと明瞭な区別が付かないケースがあります。女性は特に、上皮内がんまで補償されるがん保険を選択しましょう。

AIほけんのがん保険はポイントを網羅

ドコモの「AIほけん」のがん保険は、上記のポイントを網羅しており、おすすめです。補償内容は以下の通りです。

【AIほけんのがん保険 補償内容】
保険金を受け取れるとき
がん診断保険金 がんと診断確定されたとき
※上皮内がんを含む
がん入院、手術保険金 がんで入院したとき、また手術したとき
がん通院保険金 がんで20日以上継続入院し、その前後に通院したとき
がん再発転移補償特約 がんと診断され、所定の治療を受けた後、がんの再発・転移の診断確定を受けたとき
がん生活支援特約 がんと診断されたとき、またその翌年以降に所定の治療を受けたとき
抗がん剤治療補償特約 がんで抗がん剤治療を受けたとき

「AIほけん」のがん保険は、月140円からの保険料で加入でき(25歳~29歳、がん診断保険金のみのケース)、必要な分だけ補償を選択できます。また、合わせて「AIほけん」の医療保険の「総合先進医療特約」に加入すれば、先進医療も補償されます。がんへの備えとして、ぜひご検討ください。

4がん保険はお金の心配をせずに治療するため必要

がんは2人に1人がかかる、誰にでも起こりうる病気です。公的医療保険や通常の医療保険では保障が不十分なケースがあり、安心して治療を受けられない可能性があります。

がん保険は、保障内容ががんに特化しており、がん治療において公的医療保険や通常の医療保険ではカバーできない範囲の保障を受けられます。

お金の心配をせずにいざというときにがん治療に専念するため、がん保険への加入を検討しましょう。

※本記事は2021年3月4日時点の内容であり、将来の商品改定によっては内容が変更になる可能性がございます。

文・若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業、保険募集代理業、金融系ライターとして活動しています。関心のあるジャンルは資産運用や保険、またお得なポイントサービスなど。お金にまつわることなら幅広くカバーし、発信しています。AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有。

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