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自転車事故で交通事故に遭ったら慰謝料はどのくらい?賠償事例もご紹介

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自転車事故で交通事故に遭ったら慰謝料はどのくらい?賠償事例もご紹介

自転車事故にあった女性のイラスト

自転車で事故に遭ってしまった場合、「どの程度の慰謝料を受け取れるのか」「支払うことになるのか」気になりますよね。自転車事故の慰謝料には、事故の原因やケガの状態など、さまざまな項目が関係しています。そこで、今回は自転車事故で交通事故に遭った場合の慰謝料について、賠償事例も含めて詳しくご紹介します。

1.自転車事故の扱いは自動車事故と同じ

自転車は、道路交通法上は「軽車両」に該当します。自転車は歩行者ではなく、あくまで車両扱いなのです。そのため、自転車事故の法律上の取り扱いは、自動車事故と同じです。自転車事故で他人にケガを負わせてしまった場合、加害者として慰謝料を支払わなければなりません。

自転車事故には、「自転車同士の事故」「自動車と自転車の事故」「自転車と歩行者の事故」「自転車単独の事故」の4つがあります。例えば、次のような例があります。

自転車同士の事故

  • ・車間距離をとらなかったことによる衝突事故

  • ・信号無視による出会い頭の衝突事故

  • ・追い越し時の衝突事故

自動車と自転車の事故

  • ・曲がる時の確認不足による交差点の事故

  • ・駐車車両の右側を通ろうとした際の後続車による追突事故

自転車と歩行者の事故

  • ・歩道での自転車と歩行者の接触事故

  • ・交差点での出会い頭の衝突事故

自転車単独の事故

  • ・車道から歩道に乗り上げる際の運転ミスによる事故

  • ・マンホールのスリップによる事故

  • ・ブレーキの破損による事故

自転車事故というと、自動車事故ほどは恐くないと思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、警察庁の「令和元年における交通死亡事故の特徴等について」によると、令和元年の自転車事故による死亡者数は433名にものぼります。

自転車と歩行者の事故で、歩行者が亡くなるケースもあります。歩行者が亡くなったり、深刻な後遺症が残ったりした場合、自転車だからといって自動車より慰謝料の金額が少なくなるわけではありません。基本的に、自動車の場合と同じ慰謝料の支払義務が発生します。

また、単独事故で公共の物や他人に私物を壊してしまった時も、所有者への損害賠償の責を負うことになります。

このように、自転車事故は自動車事故と同じ扱いを受けます。一方で、自動車事故にはない、自転車事故ならではのリスクや問題点があります。

2.自転車事故特有の4つの問題点

続いては、自転車事故特有の問題点を4つ紹介していきます。

1.事故の当事者が保険未加入の場合も考えられる

自動車の場合、自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)への加入が法律で義務付けられています。また、自賠責保険では対人事故の相手方への損害賠償しか補償されないため、民間の自動車保険に加入して事故のリスクに備えている方も多いでしょう。

一方、自転車には、自動車のような自賠責保険が存在しません。任意で加入する自転車保険も、まだまだ認知度が低い状況です。

そのため、被害者からすると、加害者と直接交渉が必要だったり、スムーズに慰謝料を受け取れなかったり、さまざまな問題が発生します。

自転車に乗っていて加害者になった場合も、高額な慰謝料の支払いに苦労することがあります。もし事故を起こしてしまった場合は、自転車保険に加入していなくても、自動車保険の特約で補償される場合もあるため、まずは確認してみてください。

2.未成年者が加害者となることもある

自転車は未成年も運転するため、未成年者が加害者となってしまうリスクもあります。道路交通法上の法律違反によって相手を死傷させれば、未成年者も刑事上・民事上の責任を負うことになります。保険に加入していなければ、慰謝料の全額を負担する必要があります。

我が子が自動車事故に遭うリスクは考えても、自転車事故で加害者になるリスクを考えたことがある親は少ないのではないでしょうか。自転車事故で相手を死傷させたという事実、法律上の責任は、子どもの人生に重くのしかかるはずです。

我が子に交通ルールをしっかり伝えるとともに、任意保険でリスクに備えることが大切です。

3.過失割合が問題になりやすい

交通事故の慰謝料は、法令違反や不注意などの過失割合によって減額されます。しかし、自転車事故は、自動車事故と比べて裁判例も少なく、過失割合がスムーズに導き出せないことがあります。

保険に加入していれば、保険会社が間に入り、過失割合の交渉をしてくれます。しかし、保険に加入していない場合、正しい知識を持たない当事者同士で交渉する必要があり、収拾がつかなくなることが多々あります。

過失割合については、後ほど詳しく解説します。

4.後遺障害を認定する機関がない

交通事故で後遺障害が残った場合、自動車事故であれば自賠責保険調査事務所によって後遺障害の等級認定が行われます。しかし、自転車事故では自賠責保険調査事務所のような認定機関がありませんので、以下の方法によって後遺障害が残ったことを証明する必要があります。

・自賠責損害調査事務所による後遺障害認定サポート
加害者が自転車事故の対人賠償保険に加入、もしくは被害者が人身傷害保険に加入しているならば、どちらかの保険会社を通じて、自賠責損害調査事務所による後遺障害認定サポートを利用できる場合があります。

・労災保険による後遺障害認定
通勤中の事故ならば、労災保険により、後遺障害の認定を受けられる可能性があります。

・傷害保険による後遺障害認定
加害者が対人賠償保険に加入しておらず、被害者が傷害保険のみの場合、傷害保険による後遺障害認定の申請が必要です。

・訴訟による後遺障害認定
加害者も被害者も保険未加入の場合、後遺障害認定を受けられるように訴訟するという方法もあります。

本当に、その交通事故によって後遺障害が残ったのかを証明するには、事故との因果関係の証明が必要です。専門知識が必要なため、申請は難航することが予想されます。

3.慰謝料とは

慰謝料とは、「精神的苦痛に対する賠償」と定義されています。民法では、身体、自由、名誉を侵された場合に慰謝料を請求できます。そのため、慰謝料が発生するのは人身事故の場合のみです。

交通事故で他人を死傷させた場合、慰謝料を請求できるのは、被害者、被害者が未成年の場合の親権者、被害者が死亡した場合の相続人です。また、慰謝料を支払う義務があるのは、運転者、運転者を雇用していた者、自動車の所有者、自動車を貸した者、維持費等を負担している親などです。

慰謝料と示談金の違い

示談金とは、示談(話し合い)で被害者、加害者の双方が合意した金額のことです。示談金には、事故にまつわるすべての損害賠償金が含まれるため、慰謝料も示談金に含まれるといえます。慰謝料の他に、示談金には、例えば次のような項目が含まれます。

  • ・車両の修理費、買い替え費用

  • ・営業用車両を使用できないことによる損失

  • ・買い替えにともなう登録費用や納車手数料

慰謝料の種類

慰謝料には、主に次の3つの種類があります。

  1. 1 入通院慰謝料
    入通院慰謝料とは、交通事故によるケガの治療による入通院時に受けた精神的苦痛に対する慰謝料のことです。入通院の日数が多いほどに、入通院慰謝料額も高くなります。入通院慰謝料を受け取るためには、交通事故との因果関係を証明しなければなりません。
    そのときは痛みがなくても、翌日以降に痛み出す可能性もあるため、交通事故に遭ったら、その日のうちに医療機関を受診することが大切です。日にちが経ってから受診しても、交通事故との因果関係を証明できず、慰謝料の請求が認められなくなる可能性があります。

  2. 2 後遺障害慰謝料
    交通事故により後遺障害が残ったと認定された場合、後遺障害慰謝料を請求できます。ただし、後遺症が残っていても、必ずしも後遺障害の認定を受けられるとは限りません。
    自動車事故では、後遺症の中でも「自動車損害賠償保障法施行令2条」と「別表第1及び別表第2」に定める後遺障害に該当する障害だけが後遺障害として認められます。自転車同士の事故の場合にも、基本的にはこれと同じ基準で後遺障害の程度が認定されるものと考えて良いですが、自動車事故と異なり自賠責保険会社による認定がないため、自分で因果関係を証明し、裁判などで提示する必要があります。

  3. 3 傷害慰謝料、死亡慰謝料
    交通事故によりケガを受けたことや亡くなったこと自体に対する慰謝料です。慰謝料は、本来では被害を受けた人が加害者に請求しますが、亡くなった場合は請求できません。そのため、死亡慰謝料は交通事故で亡くなった人の家族など相続人が本人の代わりに請求します。
    死亡慰謝料の額には、扶養家族の人数や遺族が受けた精神的苦痛などが加味されます。

慰謝料の算定に用いられる3基準

慰謝料は何を基準に決めればいいのでしょうか。交通事故では、「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」という3つの算定基準があります。この基準をもとに計算した慰謝料を参考にしながら、当事者間で話し合って落としどころを見つけることになります。

自賠責基準とは、自動車の運転者に義務付けられている自賠責保険の補償を決める基準です。任意保険基準とは、民間の生命保険会社が提供する任意保険の補償額を計算する基準です。自賠責基準より高く、弁護士基準より低くなることが一般的です。弁護士基準とは、過去の交通事故の判例で認められた金額をもとにした基準です。自賠責基準、任意保険基準より高くなる傾向があります。

4.慰謝料の計算方法

続いて、3つの基準をもとに慰謝料の具体的な計算方法をみていきましょう。

自賠責基準

自賠責基準の慰謝料は、1日あたり日額4,300円(2020年3月31日以前の事故は4,200円)です。次のうち少ない方の日数が、計算の対象となります。

  1. ①治療開始から完治もしくは症状固定の日までの全日数

  2. ②実際の入院日数と通院日数の二倍

例えば、治療から完治まで60日かかり、入院3日通院15日というケースでは、次のように計算できます。

①60日
②通院18日×2=36日
①と②を比較すると②の方が少ない。

4,300円×36日=154,800円

なお、ギプス装着時は対象日数に含まれるなど、さまざまな加算があります。加算の内容によっては、上記の計算式より慰謝料が高くなることもあります。

任意保険基準

任意保険の計算方法は、生命保険会社によって異なり、公開されていません。ここでは、旧任意保険基準を参考に計算してみましょう。

算定表によると、通院治療に2か月かかった場合、任意保険基準の慰謝料は25万2,000円です。

弁護士基準

弁護士基準には、2つの算定表があり、症状によってどちらの算定表が適用されるかが変わります。

別表Ⅰ

別表Ⅱ

算定表によると、通院治療に2か月かかった場合、弁護士基準の慰謝料は別表Ⅰで52万円、別表Ⅱで36万円です。

5.過失割合によって慰謝料は変動

ここまで、慰謝料の計算基準や計算方法を解説してきました。もう1つ、慰謝料に影響を及ぼす重要な要素があります。それは過失割合です。

過失割合とは?

過失割合とは、加害者と被害者の双方の過失の程度(法令違反の有無や不注意の程度)を表した割合のことです。過失割合を決める際には、事故の個別具体的な事情や、過去の判例も参照されます。過失割合に応じて、加害者からの賠償金を減額することを、過失相殺といいます。

例えば、被害者側に2割の過失があった場合、慰謝料や損害賠償金が2割減額されます。過失割合は、賠償金に影響する重要な要素なのです。

交通事故の場合、被害者であっても、過失が全くないとは限りません。過失割合によって、慰謝料が減額されるケースは多々あります。

自転車の過失割合が修正されるケース

続いて、過失割合の具体例を紹介します。

車が右折しようとし、自転車が直進しようとした場合......車90:自転車10
車が直進しようとし、自転車が右折しようとした場合......車50:自転車50

車が直進して横断歩道に侵入し、車の信号が赤、自転車の信号が青だった場合......車100:自転車0
車が直進して横断歩道に侵入し、車の信号が赤、自転車の信号が青点滅だった場合......車90:自転車10
車が直進して横断歩道に侵入し、車の信号が青、自転車の信号が赤だった場合......車25:自転車75

自転車事故では、当事者間で慰謝料の交渉をすることになります。当然、お互いに自分の過失割合を少なく見積もりたいという心理が働きます。相手の主張する過失割合が正しいと思いこまず、自分でもきちんと調べた上で、過失割合を主張することが大切です。

6.慰謝料の判例

判決事例①
東京地方裁判所平成26年1月28日判決:判決認容額4,746万円

【事案の概要】
日中、男性が信号無視で交差点を自転車で直進し、青信号で横断歩道を歩いて渡る75歳の女性に衝突しました。女性は脳挫傷などを負い、5日後に亡くなっています。

判決事例②
神戸地方裁判所平成25年7月4日判決:判決認容額9,521万円(慰謝料・入院に関わる費用・将来の介護費等含む)

【事案の概要】
当時11歳の男子小学生が夜間に自転車で走行中、歩行中の62歳の女性と衝突し、頭がい骨骨折などの傷害を負わせました。女性は、意識が戻らなくなりました。

7.高額慰謝料のリスクに備えて保険加入を検討しよう

今回は自転車事故について解説しました。自転車事故は減少傾向にあるものの、ご紹介したように事故を起こして慰謝料の支払いが発生する可能性を考えると、そういったリスクに備えて自転車保険へ加入することをおすすめします。

歩行者との事故では、相手方が亡くなり多額の損害賠償を請求される可能性があります。その他、後遺障害逸失利益や後遺障害慰謝料は、等級次第で数千万円もの額になるため、しっかり備えておきましょう。

8.自転車事故だけでなく日常での賠償事故も補償!日常の事故の備えには、ドコモ の「サイクル保険」がおすすめ

ドコモの「サイクル保険」では、自転車事故だけではなく日常で偶発的に起きた事故に対する賠償責任も補償できます。例えば、「ショッピング中に商品を壊してしまった」「子供がスポーツで人にケガをさせた」といった事故も補償対象です。

もちろん、自転車事故に対する補償も充実しています。歩行者との事故、自転車・自動車との事故、単独事故に加え、ベビーカーでの転倒事故まで補償が可能です。賠償責任に対する補償は最大5億円、ご自身のケガによる死亡・後遺障害に対する補償は最大550万円、入院に対する補償は日額3,000円となっています。

ここまで補償が充実していて、1か月あたりの保険料相当額は個人プランが510円、夫婦プランが700円、お子さまがいるご家庭向けの家族プランが990円。さらに、事故後のアフターサービスも充実しています。

9.事故後のアフターサービス

  • ・お客さまの代わりに相手方と交渉する「示談交渉サービス」

  • ・弁護士への電話やメールによる「法律・税務相談」

  • ・社会保険労務士への電話による「社会保険の相談」

  • ・「冠婚葬祭やスクール、グルメなどの情報を電話で提供」

  • ・看護師などへの電話での「健康相談」

  • ・「休日夜間診療の医療機関の情報を電話で提供」など

加入方法は、スマホかPCでdアカウントから申し込むことができ、支払い方法も月々のケータイ料金と合算できます。申し込みや支払い手続きが簡単なため、今すぐにご加入いただけます。自転車保険の加入を検討している方は、ぜひドコモ の「サイクル保険」をご活用ください。

※本記事は2021年10月1日時点の内容であり、将来の商品改定によっては内容が変更になる可能性がございます。

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