自転車事故にあった女性のイラスト
車・自転車
2019/12/17

自転車事故で交通事故に遭ったら慰謝料はどのくらい?賠償事例もご紹介

目次

自転車事故で交通事故に遭った際には、「どの程度の慰謝料を受け取れるのか」「支払うことになるのか」など、気になる方も多いのではないでしょうか。自転車事故の慰謝料には、事故の原因やケガの状態など、さまざまな項目が関係しています。そこで、今回は自転車事故で交通事故に遭った場合の慰謝料について、賠償事例も含めて詳しくご紹介します。

1近年の自転車事故の傾向について

自転車事故の件数は年々減少傾向

まずは、近年の自転車事故の傾向について、詳しくご紹介します。

交通事故の発生件数

警察庁交通局が発表した「平成29年中の交通事故の発生状況」によると、2017年の最も過失が重い第1当事者の自転車による交通事故の発生件数は、1万5,281件で前年比94.6%と減少しています。また、2007年と比較すると56.17%となり、交通事故の発生件数としては減少傾向です。
※出典(警察庁:平成29年中の交通事故の発生状況

自転車乗用中の事故

警察庁が発表している「平成30年における交通死亡事故の特徴等について」によると、自転車乗用中の交通事故による死亡者の推移は以下の通りです。

グラフ:自転車事故による死亡者数

このグラフをご覧いただくと分かる通り、平成20年~30年にかけて死亡者数は徐々に減ってきています。では、具体的に自転車事故の種類を確認していきましょう。

法令違反による交通事故の件数

交通費事故の当事者は、最も過失の重い第1当事者とその相手方である第2当事者とに分かれます。この第1・第2当事者の法令違反による自転車事故の件数は、全体で9万407件、そのうち信号無視が1,680件、横断・転回等が468件、優先通行妨害が662件、前方不注意が1,597件、一時不停止が4,703件です。その他にも、安全不確認や徐行義務違反などで検挙されています。また、注目すべきは違反なしの件数が3万1,879件と多くの割合を占めることです。法令違反をしていなくとも、交通事故に巻き込まれる恐れがあることを証明しています。
※出典(警察庁:平成29年中の交通事故の発生状況

2自転車事故って具体的にどのような事故のこと?

自転車同士の事故、自動車と自転車の事故、自転車と歩行者の事故、自転車単独の事故

自転車事故とは、具体的にどのような事故を指すのでしょうか。自転車による交通事故の種類や事故の特徴について詳しくみていきましょう。

自転車事故の種類

グラフ:自転車関連事故の相手当事者別件数(指数)の推移
  • ※出典(警察庁:平成29年における交通死亡事故の特徴等について
    (平成19年を100とする)
  • 自転車同士の事故

    ~平成20年から徐々に減少していたが、平成29年は前年に比べ微増している~
    ※出典(警察庁:平成29年における交通死亡事故の特徴等について

    被害者と加害者の両方が自転車を運転しているケースの事故です。自転車は、標識がある歩道と車道の最も左側を走ることができますが、いずれも十分な車幅と車間距離をとって走行しなければ、自転車同士の事故が起こります。また、他にも信号無視による出会い頭の衝突、追い越し時の衝突など、さまざまなパターンで事故が起こるのです。

    自動車と自転車の事故

    ~平成19年から多少上下しながらではあるが、減少傾向。平成28年から平成29年にかけては横ばい~
    ※出典(警察庁:平成29年における交通死亡事故の特徴等について

    短い横断歩道だからといって、自転車側が赤信号で渡ったり、自動車が曲がるときの確認が不十分であったりすると、交差点で自動車と自転車の事故が起こります。また、自転車が車道の最も左側を走っており、前方に駐車車両があったため、車両の右側を通ろうとしたところ、後続車に追突されるケースも少なくありません。このように、自転車と自動車の双方による不注意や法令違反が事故につながります。

    自転車と歩行者の事故

    平成19年から平成21年にかけては増加していたが、その後、減少傾向が続く。平成29年は前年比増加。
    平成30年2月15日警察庁交通局発表資料「平成29年における交通死亡事故の特徴等について」より)

    自転車は、歩行者優先であるものの歩道を走行できる場合があります。そのため、自転車と歩行者の事故が起こり得ます。また、小さな交差点で自転車が急に飛び出したり曲がったりすると、出会い頭で衝突する場合もあります。
    歩行者が交通事故で亡くなるのは、相手が車やバイクの場合とは限らず、自転車との衝突や転倒で亡くなるケースもあるため注意が必要です。自転車だからといって、歩行者がケガをしたときの損害賠償額が安くなるわけではありません。基本的に、自動車でケガをさせたときと同等となります。

    自転車単独の事故

    毎年増減を繰り返してはいるが、平成19年と平成29年を比較すると7割ほど減少している。
    平成30年2月15日警察庁交通局発表資料「平成29年における交通死亡事故の特徴等について」より)

    運転している自転車の転倒や電柱、街路樹への衝突などでケガをするパターンがあります。わき見運転、車道から歩道に乗り上げるときの運転ミス、整備不良によるブレーキの破損、マンホールによるスリップなど、単独事故の原因はさまざまです。歩行者や自転車、自動車などを巻き込まなくとも、公共の物や他人の私物を壊してしまった場合は、所有者に対する損害賠償の責を負います。

    自転車事故特有の問題点

    加害者が保険未加入の場合も考えられる

    自転車には、自動車のように自賠責保険がなく任意保険も認知度が低い傾向です。そのため、加害者側が自転車の場合、保険に未加入のため、スムーズに賠償ができないケースも考えられます。もし事故を起こしてしまった場合、自転車保険に加入していなくても、自動車保険の特約に自転車保険がついている場合もあるため、まずは確認しましょう。

    過失割合が問題になりやすい

    交通事故の過失割合は、加害者と被害者の双方の過失の程度(法令違反の有無や不注意の程度)によって定まり、事故の際の個別具体的な事情のほか、過去の裁判例も参照されます。もっとも、自転車事故は、自動車事故と比べて裁判例も少ないため、過失割合がスムーズに導き出せないことが問題です。保険に加入していれば、保険会社が間に入り過失割合の交渉をしてくれます。しかし、保険に加入していない場合には、正しい知識を持たない当事者同士での話し合いになり、収拾がつかなくなる可能性があります。

    後遺障害を認定する機関がない

    交通事故で後遺障害が残った場合、自動車事故であれば自賠責保険調査事務所によって後遺障害の等級認定が行われます。しかし、自転車事故では自賠責保険調査事務所のような認定機関がありませんので、以下の方法によって後遺障害が残ったことを証明する必要があります。

    ・自賠責損害調査事務所による後遺障害認定サポート
    加害者が自転車事故の対人賠償保険に加入、もしくは被害者が人身傷害保険に加入しているならば、どちらかの保険会社を通じて、自賠責損害調査事務所による後遺障害認定サポートを利用できる場合があります。

    ・労災保険による後遺障害認定
    通勤中の事故ならば、労災保険により、後遺障害の認定を受けられる可能性があります。

    ・傷害保険による後遺障害認定
    加害者が対人賠償保険に加入しておらず、被害者が傷害保険のみの場合、傷害保険による後遺障害認定の申請が必要です。

    ・訴訟による後遺障害認定
    加害者も被害者も保険未加入の場合、後遺障害認定を受けられるように訴訟するという方法もあります。

    本当に、その交通事故によって後遺障害が残ったのかを証明するには、事故との因果関係の証明が必要です。専門知識が必要なため、申請は難航することが予想されます。

    3自転車事故による慰謝料は実際どのくらいになるのか

    自転車事故にあう少年のイラスト

    自転車事故による慰謝料には、さまざまな種類があります。それぞれの相場や裁判例と一緒に、詳しくみていきましょう。

    主な慰謝料の種類

    入通院慰謝料

    入通院慰謝料とは、交通事故によるケガの治療による入通院時に受けた精神的苦痛に対する慰謝料のことです。入通院の日数が多いほどに、入通院慰謝料額も高くなります。入通院慰謝料を受け取るためには、交通事故との因果関係を証明しなければなりません。
    そのときは痛みがなくても、翌日以降に痛み出す可能性もあるため、交通事故に遭ったら、その日のうちに医療機関を受診することが大切です。日にちが経ってから受診しても、交通事故との因果関係を証明できず、慰謝料の請求が認められなくなる可能性があります。

    後遺障害慰謝料

    交通事故により後遺障害が残ったと認定された場合、後遺障害慰謝料を請求できます。ただし、後遺症が残っていても、必ずしも後遺障害の認定を受けられるとは限りません。
    自動車事故では、後遺症の中でも「自動車損害賠償保障法施行令2条」と「別表第1及び別表第2」に定める後遺障害に該当する障害だけが後遺障害として認められます。自転車同士の事故の場合にも、基本的にはこれと同じ基準で後遺障害の程度が認定されるものと考えて良いですが、自動車事故と異なり自賠責保険会社による認定がないため、自分で因果関係を証明し、裁判などで提示する必要があります。

    傷害慰謝料、死亡慰謝料

    交通事故によりケガを受けたことや亡くなったこと自体に対する慰謝料です。慰謝料は、本来では被害を受けた人が加害者に請求しますが、亡くなった場合は請求できません。そのため、死亡慰謝料は交通事故で亡くなった人の家族など相続人が本人の代わりに請求します。
    死亡慰謝料の額には、扶養家族の人数や遺族が受けた精神的苦痛などが加味されます。

    慰謝料の判決事例

    判決事例①

    東京地方裁判所平成26年1月28日判決:判決認容額4,746万円

    【事案の概要】
    日中、男性が信号無視で交差点を自転車で直進し、青信号で横断歩道を歩いて渡る75歳の女性に衝突しました。女性は脳挫傷などを負い、5日後に亡くなっています。

    判決事例②

    神戸地方裁判所平成25年7月4日判決:判決認容額9,521万円(慰謝料・入院に関わる費用・将来の介護費等含む)

    【事案の概要】
    当時11歳の男子小学生が夜間に自転車で走行中、歩行中の62歳の女性と衝突し、頭がい骨骨折などの傷害を負わせました。女性は、意識が戻らなくなりました。

    4高額な慰謝料にも対応できる自転車保険を検討しよう

    自転車に乗る二人の子供のイラスト

    今回は、自転車事故について解説しました。自転車事故は減少傾向にあるものの、ご紹介したように事故を起こして慰謝料の支払いが発生する可能性を考えると、そういったリスクに備えて自転車保険へ加入することをおすすめします。

    歩行者との事故では、相手方が亡くなり多額の損害賠償を請求される可能性があります。その他、後遺障害逸失利益や後遺障害慰謝料は、等級次第で数千万円もの額になるため、しっかり備えておきましょう。

    5自転車事故だけでなく日常での賠償事故も補償!日常の事故の備えには、「ドコモ サイクル保険」がおすすめ!

    偶然に起きた事故による賠償責任も補償!事故後にアフターサービスはもちろん、毎日の暮らしに役立つサポートも充実!

    ドコモ サイクル保険」では、自転車事故だけではなく日常で偶発的に起きた事故に対する賠償責任も補償できます。例えば、「ショッピング中に商品を壊してしまった」「子供がスポーツで人にケガをさせた」といった事故も補償対象です。

    もちろん、自転車事故に対する補償も充実しています。歩行者との事故、自転車・自動車との事故、単独事故に加え、ベビーカーでの転倒事故まで補償が可能です。賠償責任に対する補償は最大5億円、ご自身のケガによる死亡・後遺障害に対する補償は最大550万円、入院に対する補償は日額3,000円となっています。

    ここまで補償が充実していて、1ヵ月あたりの保険料相当額は個人プランが460円、夫婦プランが650円、お子さまがいるご家庭向けの家族プランが940円。さらに、事故後のアフターサービスも充実しています。

    ■事故後のアフターサービス

    • ・お客さまの代わりに相手方と交渉する「示談交渉サービス」
    • ・弁護士への電話やメールによる「法律・税務相談」
    • ・社会保険労務士への電話による「社会保険の相談」
    • ・「冠婚葬祭やスクール、グルメなどの情報を電話で提供」
    • ・看護師などへの電話での「健康相談」
    • ・「休日夜間診療の医療機関の情報を電話で提供」など

    加入方法は、ケータイでネットワーク暗証番号と生年月日を入力するだけで、支払い方法も月々のケータイ料金と合算できます。申し込みや支払い手続きが簡単なため、今すぐにご加入いただけます。自転車保険の加入を検討している方は、ぜひ「ドコモ サイクル保険」をご活用ください。

    ※本記事は2019年12月1日時点の内容であり、将来の商品改定によっては内容が変更になる可能性がございます。

    【監修者】
    古澤 拓(ふるさわ たく)
    弁護士

    東京大学法学部卒業後、2014年に弁護士登録。以後は4年半ほど法律事務所にて執務した後、現在はスタートアップ企業の法務にて勤務中。法律事務所にて執務中には、メガバンクの法務部への出向なども経験。

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